当院の腰痛施術ページです。 当院は品川区二葉にあり、中延・西大井・馬込エリアからも多くの方が来院されています。
腰痛でお困りの方に、国際ガイドラインに基づいた安全で再現性のあるケアを提供しています。 痛みの原因だけでなく、ストレス・睡眠・仕事環境などの心理社会的な要因も含めて総合的に評価し、再発しにくい身体づくりをサポートします。
当院の腰痛施術の特徴
国際ガイドライン(WHO・NICE)に基づくアプローチ
国際ガイドライン(WHO・NICE)では、過度な画像検査に依存せず、不必要な安静を避けて回復を促すことが推奨されています。また、心理社会的因子の評価を重視し、運動療法と教育を中心にケアを組み立てることが重要とされています。
- 過度な画像検査に依存しない
- 不必要な安静を避け、回復を促す
- 心理社会的因子の評価を重視
- 運動療法と教育を中心に構成
生物心理社会モデル(BPS)での評価
腰痛は、筋・関節・椎間板といった構造的な変化だけで説明できるものではありません。不安やストレス、恐怖回避といった心理的な反応、そして仕事姿勢・家庭環境・生活リズムなどの社会的背景が重なり合って、痛みの感じ方や回復のスピードに影響します。
当院では、こうした要因を総合的に評価しながら施術を進めていきますが、実際には施術中の会話の中で、患者さんが少しずつ背景を話してくださることが多くあります。無理に聞き出すのではなく、安心して話せるタイミングを大切にしながら、腰痛の背景を立体的に捉えていきます。
必要に応じて評価スケールを用いて心理社会的因子を確認することもありますが、初診から細かく行うことは多くありません。初めて来院された方は身体が強張っていることが多く、まずは触れられることで安心し、ほぐれていく過程で自然と話しやすくなるからです。
身体に触れながら評価できることは、精神科や臨床心理士とは大きく異なる強みであり、その特徴を最大限に活かして施術を行っています。
- 構造的要因(筋・筋膜・関節・皮膚)
- 心理的要因(不安、恐怖回避、ストレス、抑鬱)
- 社会的要因(仕事の満足度、家庭環境、生活リズム、文脈など)
再発予防まで見据えた施術計画
腰痛の改善では、痛みの軽減と動作の改善は別々に進むものではなく、多くの場合は同時に起こります。初診ではまず身体の強張りをゆるめることで安心感が生まれ、痛みの印象も軽くなり、動きやすさも自然に変わっていきます。
動作の改善には、日常の習慣や環境の調整も含まれます。当院ではセルフケアも初期段階からお伝えしており、痛みの軽減のためにも、再発予防のためにも欠かせない要素です。
ただし、患者さんの中には「治してほしい」という受動的な願望が強く、自分でコントロールできるという感覚に移行するまで時間がかかる場合もあります。臨床ではその方のペースに合わせて臨機応変に対応しますが、最終的な方向性は「自分でコントロールできる身体づくり」を目指す点で一貫しています。
施術計画は次の4つを軸に、患者さんの状態に合わせて同時進行で進めていきます。
- 痛みの軽減
- 動作の改善(習慣・環境の調整を含む)
- セルフケアの習得(初期から実施)
- 再発予防のための行動変容
腰痛の主な原因と当院の見立て
急性腰痛(ぎっくり腰)
ぎっくり腰の原因は一つに決められるものではありません。研究では、背景に社会的・心理的ストレスがあるときに発症しやすいことが示されています。ある研究では、結婚・抑うつ状態(最近楽しいことがない)・仕事へのやりがいの低下が、急性腰痛の三大要因として挙げられています。
私の臨床経験でも、ストレス発散をしていても身体には限界があり、社会的ストレスが強い時期には疼痛行動(痛みを感じやすい状態)が出やすいと感じています。筋膜の研究でも、心理的ストレスがかかると筋膜から発痛物質が放出されることが報告されており、ストレスと痛みは密接に関係しています。
つまり「ストレスが原因」と一言で言えてしまうほど単純ではなく、 痛みに至るまでの背景は人それぞれ。だからこそ医学的には「非特異的腰痛」と呼ばれています。
当院では、 ライフイベントが1年以内に重なっている場合、ストレス関連疾患として腰痛リスクが高まる という考え方を採用しています(参考:ライフイベントストレススコアのページ)。
そのうえで、急性腰痛のケアでは次の点を重視しています。
① 典型的な回復過程の説明(不安の軽減)
ぎっくり腰は「腰が壊れた」のではなく、 筋膜や結合組織が痛みを出している状態 であることを最初に説明します。 典型的な回復過程を理解することで、過度な不安や恐怖が軽減されます。
脊椎マニピュレーションを適切に行うことで、 一定レベルまでの回復スピードが速まる ことが研究でも示されています。 ただし、ストレス背景が強い場合は、身体のケアと並行して 環境整備やストレス要因へのアプローチ が必要になります。
② 過度な恐怖を取り除く教育(呼吸法・動作指導)
恐怖回避行動が強いと、痛みが長引きやすくなります。 そのため、①の説明に加えて、
- 呼吸法
- 痛みを悪化させない動き方
- 安全に動ける範囲の確認
を行い「動いても大丈夫」という感覚 を取り戻していきます。
③ 早期回復のための動き方指導(能動的アプローチ)
急性腰痛は、どのみち 1か月程度の回復期間 が必要ですが、 脊椎マニピュレーションと能動的アプローチを組み合わせることで、
- 慢性化の予防
- 軽度なら早期回復
- 重度なら1か月スパンでの改善計画
が可能になります。
セルフケアは初診からお伝えし、 痛みの軽減と動作改善を同時進行 で進めていきます。
④ ストレス背景を踏まえた再発予防(CBT的アプローチ)
心理社会的ストレスが強いと、 急性腰痛が慢性化に移行するリスクが高まる ことが知られています。
そのため当院では、 ライフイベントが重なっている場合は特に、
- 生活環境の調整(できる範囲で)
- 行動パターンの見直し
- 人間関係のストレスに対する対処
- CBT的アプローチによる行動変容のサポート
を施術中の会話の中で自然に行います。
これは「心理カウンセリング」ではなく、 身体に触れながら行う“身体ベースの行動変容” であり、 私の臨床スタイルの大きな強みです。
慢性腰痛
慢性腰痛には、ぎっくり腰から移行するタイプと、疲労が蓄積して腰の重だるさが続くタイプがあります。いずれの場合も、多くの方で腰部の筋肉や深層筋が硬くなり、椎間関節の動きが低下しています。中には、体幹を支える筋力が落ち、自分の体重に耐えられず筋疲労から痛みが出ているケースもあります。
3か月以上続く痛みは、脳が痛みを“記憶”している状態 で、痛みの強さや印象に影響します。完全に痛みをゼロにするのではなく、まずは 「痛みをコントロールできる状態」 を目指すことが重要です。
脳科学の研究では、慢性腰痛では前頭葉の萎縮がみられ、これは抑うつ状態の方と同じパターンです。創造性や意欲が低下し、痛みへの注意が強まりやすい状態です。当院では、抑うつ傾向が強い場合には BS-POPなどの簡易尺度 を用いて状態を把握し、精神的に前向きになれるようサポートします。
施術は、まず手技によって身体の緊張をゆるめ、状態をニュートラルに近づけるところから始めます。軽い会話を交えながら安心感をつくり、身体がほぐれていく過程で、患者さん自身も痛みや動きの感覚をつかみやすくなります。
施術では、手技による身体ケアを軸にしつつ、必要に応じて脊椎マニピュレーションで深層筋の硬さや関節の動きを改善します。深層筋が硬化している場合は マイオセラピー® を併用し、動きが出るところまで丁寧に施術します。
さらに、慢性腰痛では 動きの再教育 が欠かせません。 反り腰で屈曲が失われている場合は屈曲の獲得を、骨盤が落ちている場合はペルビックティルトで骨盤を起こす練習を行います。来院間にセルフケアができれば改善は早まり、もしできない場合は「なぜできないのか」「どの条件ならできるのか」を一緒に探ります。
セルフケアを行っても変化が乏しい場合は、構造だけでなく 心理・社会的要因 を含めた生物心理社会モデルで再評価し、機能していない部分を見つけていきます。このモデルは患者さんには馴染みが薄く、最初は理解しにくいこともありますが、痛みをコントロールできるようになった時に初めて腑に落ちる ことが多いです。
慢性腰痛の改善では、次の3つを軸に進めていきます。
- 痛みの慢性化メカニズムの理解(痛みの記憶・脳の関与)
- ストレス・睡眠・思考パターンの影響を踏まえたケア
- 行動変容を含むアプローチ(セルフケア・動作再教育・CBT的支援)
筋・関節由来の腰痛
急性腰痛・慢性腰痛のどちらにも共通しているのは、生物学的観点では 筋肉(脊柱起立筋・多裂筋など)の問題や、関節(椎間関節・仙腸関節)の機能低下・機能不全が土台にある という点です。
姿勢や動作の癖、長時間の同じ姿勢、疲労の蓄積によって、これらの組織が硬くなり、可動域が偏り、さらに代償運動が別の部位に起こることで、痛みが出やすい状態になります。
ただし、痛みとして感じる強さや持続には、 脳がその状態をどう解釈するか(心理・社会的背景) が大きく影響します。 つまり、構造的な問題は“入口”であり、そこにストレス・睡眠・思考パターンなどが重なることで痛みが複雑化します。 これは言い換えれば、痛みが社会的ストレスの表現として現れている 場合もあるということです。
当院では、まず筋・関節の状態を整え、 そのうえで生活動作の改善や動きの再教育を行い、 「構造 × 脳の解釈」両面から腰痛をコントロールできる状態 を目指します。
- 姿勢・動作の癖の修正
- 可動域の偏りの改善(仙腸関節・椎間関節の調整を含む)
- 生活動作の改善(痛みを出しにくい動き方の習得)
椎間板性の腰痛
一般的には「椎間板ヘルニア」と言われることがありますが、国際的には近年、 “ヘルニアという形”よりも、“神経根症状があるかどうか” で状態を判断する流れに変わってきています。
理由は、研究により 構造的な損傷よりも、心理的・社会的な要因の方が下肢症状や腰痛の予後に強く影響する ことが明らかになってきたためです。
そのため当院では、 急性期の強い下肢症状(しびれ・脱力)以外は、ヘルニアという診断名を気にしすぎないでください というスタンスで施術を行っています。
椎間板に負荷がかかると起こりやすい症状
- 朝の痛み
- 前屈での痛み
- 下肢の張り・違和感
朝の痛みは、一般的な慢性腰痛でもよくみられる症状です。 東大の研究では、寝返りが多い人ほど朝の痛みが少ない ことが分かっており、 これは単純に 夜間の筋硬化(筋のこわばり) が関与していると考えられます。
また、前屈での痛みは「椎間板が原因」と言われがちですが、 実際には 腹部深部筋(コア)がうまく使えていない ことが多く、 コントロールを取り戻すことで改善が可能です。 痛みの実体としては、腰部深部筋や結合組織が伸ばされる際の痛み(伸長時痛)が中心です。
つまり、仮に椎間板が関与していたとしても、 痛みは“コントロール可能な領域”にある ということです。 下肢症状が強い場合は回復に時間がかかりますが、 まず背骨の緊張がゆるむだけで、症状のつらさや受け止め方が大きく変わるケースが多くあります。
「椎間板性」と言われても、実際の痛みは“筋・結合組織 × 脳の解釈”で説明でき、 適切なケアでコントロール可能です。
研究から分かっていること
12週(約3か月)の時点では、脊椎マニピュレーションを含む多くのアプローチにメリットがある。 しかし1年後には、どの治療法でも大きな差はない。 (痛み・日常生活・自己肯定感などの指標)
つまり、 「早期の適切なケア」が回復を早め、 長期的には“自分でコントロールできる状態”が最も重要 ということです。
下肢症状の4つのメカニズム
脚の痛み・しびれは、次の4つの要因が重なって起こると考えられています。
- 中枢感作:背骨の中の神経が過敏になり、痛みのボリュームが勝手に上がる状態。 (ワインドアップが起きている場合は、刺激を弱め、痛み教育+アクティブケアを中心に)
- 神経の緊張(tension:神経が引っ張られているが、しびれや感覚低下は少ないタイプ。動作の癖や姿勢が関与。
- 末梢神経感作:侵害受容器(痛みセンサー)が反応しやすくなっている状態。 炎症・機械的ストレス・軽度の神経根圧迫・筋膜の過緊張などが原因。
- 筋骨格系の問題:筋・筋膜・関節の不具合が下肢症状として現れるタイプ。
①②は特に改善に時間がかかることが多く、「脚のしびれは簡単には取れない」 というのが臨床的な実感です。
当院のアプローチ
- 背骨・骨盤の緊張をまず手技でゆるめる
- 必要に応じて脊椎マニピュレーションで可動性を改善
- マイオセラピー®で深層筋の硬さを調整
- 痛み教育(脳の解釈を変える)
- アクティブケア(動作・セルフケア)
- 心理社会的背景の整理(ストレス・睡眠・思考パターン)
3か月の時点では多くのメリットが期待でき、長期的には“自分でコントロールできる身体”を目指すことが最も重要です。
当院の施術内容
評価(アセスメント)
当院では、問診・姿勢検査・可動域の触診・筋や関節の触診を行いながら、 身体の状態と心理社会的な背景を同時に評価 していきます。
カイロプラクティックに来られる方は、痛みや不安で切羽詰まっていることも多く、 問診だけでは状況を十分に話せない場合もあります。 そのため、まずは背中に軽く触れ、呼吸が落ち着くようにしながら、 安心できる状態をつくったうえでお話を伺う ようにしています。
必要な検査をすべて細かく行うと30分以上かかってしまいますが、 臨床では「いま必要な情報」を優先して評価することが大切です。 身体に触れながら自然に会話が生まれることで、 心理社会的因子(ストレス・睡眠・仕事環境など)も無理なく把握 できます。
- 姿勢・動作分析
- 可動域の触診
- 筋・関節の触診
- 心理社会的因子のスクリーニング
- 生活習慣のヒアリング
このように、構造的な評価と心理社会的な評価を同時に行うことで、痛みの背景を立体的に理解し、最適な施術につなげていきます。
施術(手技)
当院では、まず背骨全体のスクリーニングを行い、 どの部位に機能不全(動きの低下・緊張・協調性の乱れ)があるかを確認します。 背骨は連動して動く一本のユニットであり、筋膜のバックライン(頭〜足裏までの筋膜連鎖)の観点からも、 腰痛であっても全身を触る必要があります。
腰痛の方は多くの場合、首・胸椎・骨盤・下肢にも機能不全があり、 腹部の緊張や内臓の可動性低下が腰痛に影響することも知られています。 そのため、当院では 首・背中・骨盤・腹部・下肢まで全身を触診し、必要な部位を調整 します。
カイロプラクティック教育には 「検査自体が治療になる」 という考え方があります。 そのため、当院の施術は
検査 → 筋操作 → モビリゼーション → マニピュレーション
が一つの流れでつながっています。
- 触診の延長として筋操作を行い
- その延長として関節モビリゼーションがあり
- 最終段階として脊椎マニピュレーションを行う
という段階的なアプローチです。
私はサブラクセーションを「骨のズレ」ではなく、 state of being(身体の状態)の低下 と捉えているため、 構造に固執せず、機能不全がある部位に必要な刺激を選択します。
ロイドテーブル(屈曲・牽引機能)の強み
当院では ロイド社のギャラクシー・テーブル を使用しています。 このテーブルは、
- 屈曲(フレクション)
- 牽引(トラクション)
ができることが最大の特徴です。
反り腰や腰部全体が固まっている方には、屈曲位での調整が絶大な効果 を発揮します。 また、屈曲位や牽引位での押圧は、胸腰筋膜を伸ばし、筋操作の基本である 「ストレッチ&プレッシャー」に非常に適しており深層筋の緊張も押圧し、ゆるめることができます。
手技による腰部の施術のまとめ
- 全身の筋膜連関を踏まえた施術
- 腰痛でも必ず全身を触る(首・胸椎・腹部・骨盤・下肢)
- 検査そのものが治療になる
- 筋操作 → モビリゼーション → マニピュレーションの一連の流れ
- 状態に応じて刺激量を調整
- ロイドテーブルで屈曲・牽引を使い、深層筋の緊張を効率よく解放
- 腰に筋硬結があれば、しっかり押して緩める
腰痛であっても“腰だけ”を施術することはありません。 全身を整えることで、腰が本来の働きを取り戻す状態をつくっていきます。
マイオセラピー®(深層筋アプローチ)
マイオセラピー®は、 深層筋に微細な刺激を与えて一時的に炎症を起こし、 その回復過程で コラーゲン組織の再生を促し、組織を柔らかくする ことを目的とした施術です。
慢性腰痛の方では、 腰部多裂筋(仙骨部)や大殿筋付着部が癒着のように固まり、 そこが最も痛みを感じ、負荷が集中している ことが多くあります。 この部分を丁寧に緩めることで、 腰全体の動きが大きく改善します。
深層筋を緩めた“あと”に関節が動くようになる
深層筋の緊張が強いままでは、 脊椎マニピュレーションを行っても 生理学的可動域の限界まで動かせない ことがあります。
しかし、 マイオセラピー®で深層筋の硬結をしっかり緩めたあとに 脊椎マニピュレーションを行うことで、 これまで動かなかった椎間関節・仙腸関節が動かせるようになる ケースが多くあります。
ロイドテーブル × マイオバイブは“最大の強み”
当院では、 ロイドテーブル(屈曲・牽引機能)× マイオバイブ の組み合わせが可能です。
- 屈曲位
- 牽引位
- ストレッチ&プレッシャーの原理
これらが深層筋の硬結に対して非常に相性が良く、 マイオセラピー®の効果をより深く、より安全に引き出します。
これは 当院ならではの大きな強み です。
こんな方に特におすすめ
- 腰部多裂筋(仙骨部)が強烈に固い
- 大殿筋付着部が痛い・張る
- 腰全体が板のように固い
- 指が入らないと言われた
- どこへ行っても改善しなかった
- 深層の硬結がびっしりある
- マニピュレーションでも動かない関節がある
こうした方には、 “最後の一手”として非常に有効です。
運動療法
運動療法は、腰痛の程度や状態に合わせて段階的に行います。 ぎっくり腰のように動作時痛が強い場合は、まず 呼吸法(スウェーデン式リラクゼーションエクササイズなど) から始めます。これはイギリスの The Back Book にも記載されている方法で、 呼吸はすべての動きの基礎であり、呼吸が整わないと背骨のコントロールもできません。
また、実際の臨床では 呼吸の仕方を忘れている方、極端に呼吸が浅くなっている方も少なくありません。 そのため、呼吸機構に対する手技を行い、 必要に応じて軽い負荷をかけながら「全呼吸(胸郭・横隔膜・腹部が連動する呼吸)」の入り口を体験してもらいます。
呼吸は、単なるリラックスではなく、 “自分で身体をコントロールしていく”ための最初の能動的な取り組み(アクティブケアの出発点) でもあります。 痛みで受け身になりがちな状態から、 「自分で良くしていける」という感覚を取り戻す最初の一歩です。
痛みが落ち着いてきたら、 背骨を中心に 機能が失われている動きをひとつずつ習得していきます。 その場で効果を確認できるエクササイズを選び、「動くと痛い」から「こう動けば痛くない」へと切り替えていきます。
自宅でできるセルフケアも、 その日の状態に合わせて無理のない範囲でお伝えします。 再発予防には、 負荷の調整(やりすぎず、やらなさすぎず) が最も重要で、 日常生活の中でどの程度動けば良いかを一緒に確認していきます。
- その場で効果を確認できるエクササイズ
- 自宅でできるセルフケア
- 呼吸から始める背骨コントロール
- アクティブケアの出発点としての呼吸
- 呼吸機構の手技と全呼吸の習得
- 再発予防のための負荷調整
運動療法は派手ではありませんが、地道な積み重ねが“痛みをコントロールできる身体”をつくります。
教育(ペインエデュケーション)
痛みの仕組み・不安の軽減・回復プロセスの理解
当院では、施術中に 痛みの仕組み(ペインサイエンス)を、 概略から詳細まで、患者さんの状態に合わせてお伝えしています。 痛みを正しく理解することは、腰痛改善において非常に重要です。
急性腰痛の方へ
ぎっくり腰などの急性腰痛は、 基本的に構造的な損傷ではありません。 生物心理社会モデルで説明されているように、 「いま身体が痛みを出している状況」であり、 怖がらなくて大丈夫ということを最初にお伝えします。
不安が強いと痛みは増幅しやすいため、 施術中に痛みの仕組みを丁寧に説明し、 「これは壊れている痛みではない」という理解を持っていただきます。
帰り際には、 今日お話しした内容をまとめたプリント をお渡しし、自宅でも安心して過ごせるようフォローしています。
慢性腰痛の方へ
慢性腰痛では “自分が主治医になる”という主体性(自己効力感)が回復の鍵になります。
そのため施術中には、
- 痛みの仕組み
- 心理社会的因子の影響
- 回復のプロセス
- アクティブケアの重要性
を分かりやすくお伝えします。
さらに、必要に応じて 国際疼痛学会(IASP)の「痛みの定義」をまとめたプリント をお渡しし、「痛みとは何か」を正しく理解していただきます。
IASPの定義は、 痛みは身体だけでなく、感情・記憶・経験・環境などの影響を受ける“多面的な現象” であることを示しており、これを理解することで、「痛み=壊れている」という誤解が自然に解けていきます。
慢性腰痛の方には、痛みを“再解釈”することが回復の第一歩 であり、そのうえでアクティブケアを進めていくことが大切だとお伝えしています。
教育の目的
- 痛みへの恐怖を減らす
- 「壊れている痛み」ではないと理解する
- 正しい回復プロセスを知る
- 自分でコントロールできる感覚(自己効力感)を育てる
- 再発しにくい身体の使い方を身につける
痛みを理解することは、施術の一部です。 安心して身体を動かせるようになることが、回復への大きな一歩になります。
このような方におすすめです
- 何度も腰痛を繰り返している
- 病院で「異常なし」と言われたが痛みが続いている
- 仕事や育児で腰に負担がかかり、慢性的に重だるい
- ストレスが強く、痛みが長引いている(心因性の要素を感じる)
- 背中や腰がガチガチで、常に重い・張る・つらい
- どこにいっても良くならず、万策尽きたと感じている
- 手術は避けたいが、確かなケアを受けたい
- 健康的な生活を送りたい、根本的に身体を整えたい
施術の流れ
- カウンセリング 来院目的や不安、生活背景を丁寧に伺います。 初回は「まず一度受けてみたい」という方がほとんどなので、来院計画を強制することはありません。
- 評価(姿勢・動作・触診・動的触診・筋力検査・心理社会的因子) 腰痛は一つの原因で起こるものではありません。 姿勢や動作だけでなく、深層筋の状態、腹部の緊張、心理社会的因子まで含めて総合的に評価します。
- 施術(手技+運動) 全身の連動性を整える手技、ロイドテーブルでの調整、必要に応じてマイオセラピー®、 そしてその場で効果を確認できる運動療法を行います。
- セルフケア指導 その日の状態に合わせて、呼吸法・基本動作・負荷調整など、 自宅でできる簡単なケアをお伝えします。
- 必要な方には来院計画をご提案 軽い腰痛なら1回で大きく改善することも多く、「またつらくなったら来ます」という方もたくさんいます。一方で、慢性腰痛や再発を繰り返す方には、国際ガイドラインに沿って 「まず5〜6回で土台を整える」ことをご提案し、患者さんと相談しながら一緒に決めていきます。
「当院は、来院回数を強制したり、コース契約を勧めることはありません。」「必要な方にだけ、ガイドラインに沿った提案をしています。」
腰痛ケアの正しい考え方(当院の方針)
病院で検査をされることは重大な疾患を発見するのに必要なことですが、画像診断では筋肉のトリガーポイントを見つけることはできません。筋骨格系の機能障害は筋肉や関節を触れて確認、動きを診ることで原因が見えてきます。
トリガーポイントへの注射はお薦めしない
一時トリガーポイント注射が流行しましたが、お勧めはしません。あまり効果がないからです。現在は筋膜リリースとして生理的食塩水を注入するのが流行のようですね。
筋筋膜性疼痛症候群患者53名に対するトリガーポイント注射に関するRCT(ランダム化比較試験)によると
局所麻酔剤群とプラシーボ(生理食塩水)群の疼痛改善率に差が認められなかったことから、効果が同じなら副作用のない生理食塩水を使うべきと結論。
慢性腰痛に対するトリガーポイント注射の有効性は不明確であり、特に急性腰痛に関するエビデンスはほとんどない(★)。
トリガーポイント注射の有効性は証明されておらず侵襲的なため急性腰痛の治療に推奨できない(確証度C)。
靭帯や硬結部への注射の有効性は証明されておらず侵襲的なため急性腰痛の治療に推奨できない(確証度C)。
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残念ながらトリガーポイント注射は、世界各国どの腰痛診療ガイドラインでも推奨されていません。
病院で注射より針治療や指圧の方が良い
我々も技術者なので虚血圧迫という形で親指を使って筋肉を押します。いわゆる指の圧です。表面を撫でるマッサージ、揉み解しではなく、指圧を頼みましょう。
腰痛患者63名を4群分け、トリガーポイント注射の有効性を調べたRCT(ランダム化比較試験)
疼痛改善率は
①鍼治療群や②冷却スプレー+虚血圧迫群よりトリガーポイント注射(③局所麻酔剤・④局所麻酔剤+ステロイド)群の方が低いことが判明。最新の腰痛診療ガイドラインでは、発症4後週間以上の亜急性・慢性腰痛に対して鍼治療とマッサージ(虚血圧迫)を推奨しています。
これは古来から行われている療法に分があったということです。腰に筋肉の塊がある時は思い切り指で押しつぶす!か針治療(おそらくかなり太い長い針)が効果があるのです。指を鍛えていないとしっかりと押せないので、ここはプロに任せるのがいいでしょう。
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