カイロプラクティックをネット検索すると「通わされそうになった」など、ネガティブな意見が散見されますので、カイロプラクティックが何を根拠にどれくらいのスパンで来院をお勧めしているのかを書いていきます。
日本の場合保険適応ではないので、金額的には参考にならないかもしれませんが、回数や期間は参考にしてみてください。
カイロ治療は1か月で判断

どれくらいの期間を目安に背骨の矯正(脊椎マニピュレーション)を受けることを考えたらよいか。
確証度Dなので、人にもよるということなのでしょうが『だいたい1か月間は受けてみて』という科学的根拠があります。
接骨院などでも骨盤矯正と称してさまざまな「矯正」が行われているようですが、脊椎徒手療法の専門家ではありません。似て非なるものだとお考えください。
また逆もありまして、脊椎マニピュレーションを行わないけど『カイロプラクティック』と名乗っている治療院も多いです。未法制化状態の日本では一概にカイロ治療とまとめることが出来ないのが歯がゆいところであります。
肝心のエビデンスを見ていきましょう。
エビデンス
1994年 Agency for Health Care Policy and Research 《米》医療政策研究機構 腰痛診療ガイドライン
脊椎マニピュレーションによる治療を1ヶ月間行なっても患者の症状や機能障害の改善が認められない場合は、脊椎マニピュレーションを中止して患者を再評価すべきである(確証度D)。

腰痛に関する調査ですが他の部位でもある程度参考になると思います。
上記のように症状だけでなく、機能障害という観点も大事です。患者さんは痛みの強さのみを意識しがちですが、どれくらい日常生活の動作が回復するかも重要な要素です。
個々の関節機能で評価する場合は、間接機能を回復させると結果的に痛みが取れてくる、という順番です。
カイロ治療の頻度は軽症と重症で違う
日本で1か月毎日連続してカイロ治療(脊椎マニピュレーション)に通う人も少ないでしょうが、1日おき、2日おきくらいで来院が効果的であるようです。
このあたりは慢性痛に関して2020年にようやくガイドラインが作成されました。
これによると
- 軽症ならば1-6回通ってみる
- 中度~重度の症状なら週に2.3回を2-4週続ける
早見表
エピソードの種類 | 治療訪問数 | ケアの 期間 | 再評価期間 |
---|---|---|---|
軽度の悪化 | 1–6 回/エピソード | 発症ごと | 症状発症の始まりと終わり |
中等度または重度の悪化 | 2〜3回 /週 | 2〜4週間 | 2〜4週間ごと |
継続管理(メンテ)のためのスケジュールされた間隔 | 1〜4 回/月 | 進行中 | 少なくとも6回の訪問ごと、または必要に応じて変更を文書化 |



多くのケースではこれくらい通えば結果がでます。また再評価が一定期間後に行われるのも重要です。
まとめ
このページではカイロプラクティック治療に通うあらかたの目安を科学的根拠を基に解説してみました。
短期間で回復する方もあれば、思ったように効果が出ない方もおられます。さまざまな要素で症状があらわれていますので、背骨の機能を高めるだけでは解決しない問題もあります。
またドクターとの相性もあります。
予算の不安や思い描いているスパンと違いがある方の参考になれば幸いです。