MENU
伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

    向精神薬は単剤処方が基本

    こまる女医

    うつ病だった友人の回復が、カイロプラクティックであったことからカイロプラクターの道を歩むことになったため、向精神薬や精神医療には興味があります。医師の言葉をお借りしながら、精神疾患ケアの基本姿勢をお伝えします。

    目次

    日本の診療報酬の問題点

    精神医療に真面目の取り組むお医者様のご苦労が良く分かる記事ですので、そのまま掲載します。例えばカイロプラクティックに来院する患者さんの中には多剤処方の方もおられます。

    患者さんの生活はお薬をとることでバランスがなんとか保てている方もおり、複雑な問題が肥大化しているようにも見受けられます。

    多剤処方(3種以上)をいかに無くすか

    昨年の記事になるそうですが日本医師会の樋口輝彦先生のご意見は、とても参考になります。

    日本社会全体に及ぼす影響も大きいと思いますので、精神医療現場で多剤処方を減らす努力を是非して頂きたいと思います。

    SSRIをはじめ新規抗うつ薬におけるアクチベーションや中止後症候群であり、また24歳以下の若年のうつ病患者において自殺関連行動が生じやすいことから、その使用にはリスクベネフィットを考慮すべきとされている点である。

    薬の安全性の担保がきわめて重要なことは今さら述べるまでもないが、その反面使いやすくなることが安易な処方につながりかねないことは、われわれがベンゾジアゼピン系薬剤から得た教訓であり、今なお常用量依存が問題にされていることは真摯に受け止めなければならない。

    わが国の向精神薬の使い方が多剤併用であることが指摘されて久しい。

    多剤併用から単剤中心の処方に向けての啓発、教育はこれまで関連学会においてまた医学部卒前、卒後教育におて行われながらも、依然として多剤併用の処方が多数を占めることが指摘され、ついには診療報州の縛りをかけることで解決を目指す状況に至った。

    すなわち、3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、4種類以上の抗うつ薬または4種類以上の向精神病薬を投与した場合には、精神科継続外来支援・指導料が算定できず、処方箋料、処方料、薬剤料は減算されるというものである。

    精神科医師集団が自ら研修・教育を通じて多剤併用を克服することが本来の姿ではあるが、力及ばずであった。

    日本医師会雑誌2014年10月巻頭

    文章でお分かりのうように、科学的根拠において基本的には単剤の処方でないマズイことが解っています。日本的な折り合いの中で決定していることも分るが、特に患者の安全性、未来を考えて処方されていないことが分かります。

    京都大学研究で外来患者に限ると、さほど悪い状況ではない

    京都大学が2006~12年に、初めて抗精神病薬を処方された18歳以上の外来患者を評価。

    単剤処方、多剤併用処方、抗精神病薬の用量、向精神薬の併用処方について年間の傾向を分析した。

    外来患者総計は、15万2,592例におよぶので大規模な研究です。

    成人群における2006年と2012年の処方傾向は以下のとおりであった。

    • 第2世代抗精神病薬単剤処方:49%から71%へ増加
    • 第1世代抗精神病薬単剤処方:29%から14%へ減少
    • 抗精神病薬多剤併用処方:23%から15%へ減少

    ※第2世代抗精神病薬:リスペリドン(リスパダール)、オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)、アリピプラゾール(エビリファイ)、ペロスピロン(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン)、クロザピン(クロザリル)、パリペリドン(インヴェガ)、アセナピン(シクレスト)など(兵庫県保険医協会ホームページより)

    高齢者群における2006年と2012年の処方傾向は以下のとおりであった。

    • 第2世代抗精神病単剤処方:64%から82%へ増加
    • 第1世代抗精神病薬単剤処方:29%から12%へ減少
    • 抗精神病薬多剤併用処方:7%から6%へ減少

    研究期間中の抗精神病薬の用量は、成人群の80%超、高齢者群の90%超において、リスペリドン等価換算量6mg/日未満であった。

     等価換算量リスペリドン1㎎=セレネース2mg=エビリファイ4mg=ジプレキサ2.5mg=セロクエル66mg=ルーラン8mg=グラマリール100mg

    各種向精神薬の併用処方率は以下のとおりであった。

    • 抗不安/鎮静薬:成人群70%、高齢者群43%
    • 抗うつ薬:成人群33%、高齢者群16%
    • 抗パーキンソン薬:成人群20%、高齢者群19%
    • 気分安定薬:成人群20%、高齢者群8%
    • 抗認知症薬:成人群0.3%、高齢者群16%

    著者らは「大規模処方箋データより、日本の外来患者における抗精神病薬の高用量処方と多剤併用処方は、これまで考えられていたよりも広く行われていない」としている。

    僅かではありますが、多剤処方は減る方向へ向かっています。患者さん側の知識が増えることで、このスピードが加速すると良いですね。

    ベンゾジアゼピン系だけ減っていない

    2019年の日本での調査においてわかってきたことは、多剤処方は若干減ってきているものの、単剤ではあってもベンゾジアゼピン系の処方だけ減っていないようで、やはり難しい問題のようです。

    カイロプラクティックに来られる方でも、ベンゾジアゼピン系の長期服用者がおられます。依存性の高いお薬なので、既に長期利用になっていると離脱が難しい方もおられます。

    カイロプラクティックは全体を診ます。たとえば不眠なら認知行動療法で少しずつ改善する可能性が高いですが、ベンゾジアゼピン系のお薬の依存性は高く、なかなか難しい問題になっています。勿論無理にお薬を止めて頂くことはできませんので、経過を見守っていますが結果的にご本人が大変そうな状況を見ていると複雑な気持ちも生まれます。

    このような問題も5年、10年単位で考える必要があるように思います。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!
    目次