眠れない、眠りが浅いと次の日痛い
当たり前といえばあたり前の話ですが、腰痛のある人は睡眠がしっかりとれません。寝てもすっきりしないとか、寝過ぎると腰が痛んでそれ以上寝ていられなくなるといった具合の方が多いです。
ある時テレビで朝腰が痛い方は寝返りの数が少ないと報告していました。東京大学の研究です。血流が悪くなるんでしょうね。腰が固まってしまいます。
熟睡すると寝返りを打たないというようなイメージもありますが、実際には動きまくっています。寝返りで身体の不均衡を治しているという表現もあります。
アームバンドと睡眠日誌において調査
オーストラリア・シドニー大学のSaad M. Alsaadi氏らによる研究は以下の通り。検討結果を踏まえて著者は、睡眠の改善を目的とした治療が疼痛の軽減につながるかどうかは、さらなる研究が必要であると述べているものの可能性は充分にあります。
腰痛患者の疼痛強度と睡眠障害の関連を調べるとともに、疼痛の持続期間、うつや不安、睡眠の評価方法との関連も調査。
対象は腰痛患者80例、睡眠日誌に毎日睡眠の状況と腰痛の疼痛強度について記入(疼痛評価は1日2回)
痛みと睡眠は互いに影響 悪循環も
【主な結果】
- 質の悪い睡眠、入眠困難(睡眠日誌による評価)、入眠後の覚醒、低い睡眠効率(睡眠日誌およびアームバンドによる評価)の後は、日中の疼痛強度が高かった。
- 痛みが特に強い日の夜は、睡眠の質の低下、眠りにつくまでの時間が増加(睡眠日誌による評価)、入眠後の覚醒(睡眠日誌およびアームバンド評価)、睡眠効率の低下(アームバンド評価)が認められた。
- 疼痛強度と睡眠との関連は、疼痛の持続期間、試験開始時のうつや不安と独立していたが、睡眠の評価方法(睡眠日誌またはアームバンド)に若干依存していた。
こういう研究は当たり前といえば当たり前ですが、医学的に研究して論文にしてくださることに大きな意義があります。
肩が凝っているけどストレッチする余裕もない時に、もう寝ちゃえと睡眠障害を沢山とっても次の日にスッキリしていないことも皆様経験なさっている事だと思います。
カイロプラクティックの立場からすると、痛みや不眠傾向があると背骨の関節や背骨周囲の筋肉がものすごく硬くなっていることが多いです。
2014年からマイオセラピーもはじめて脊柱周囲の筋の硬さの影響の大きさを痛感しております。
脊柱起立筋群が異常に硬いと「睡眠時無呼吸症候群」になるのではないかと、私は考えています。上記のような研究からもなるべく体の痛みを少なくして、好循環で過ごせるように対策していくことが最重要なことだと思います。
不眠症は腰痛発症のリスク
2014年の研究になります。労働者にたいして行われた研究で、不眠症は腰痛になる兆候の一因子であることが判りました。
腰痛がある方は不眠症を伴っていることが多いが、不眠が腰痛を招くのか、腰痛が不眠を招くのかは判っていなかった
不眠があると1.4倍腰痛になりやすい
健康な労働者を2131名を3.7年追跡したところ、経済的指数やライフスタイル、身体測定など補正したのちに分かったことは、不眠の方は1.4倍腰痛のリスクが上がるそうです。また腰痛から不眠になることはないようなので、不眠があって腰痛になるという関連性が見出された。
当院にも不眠ぎみで腰痛の方がいらっしゃることがあります。短眠が優れていると考えられがちですが、多くの研究で疾患のリスクが上がり、生産性も落ちることが指摘されています。
健康第一ということで、ここ半年はワークライフバランスを考え睡眠時間をしっかり取るようにこころがけています。
長年睡眠不足だったようで少しずつ長年の疲労が取れていくのが分かります。なにしろ日本人は特に睡眠時間が少ないようなので、腰痛予防もかねてしっかり眠る日々を送りたいところです。