夜型の生活が好きな方も少なくはありません。タイプ的に創造力豊かな方には夜型人間が多いとも言います。私にも経験ありますが、夜中にアイデアが湧き出てくるような感覚は独特なものではないでしょうか?
また夜勤の仕事も、驚くほどサラリーが良い時もあります。若い時は夜中動き回っていても問題ないですが、ある程度歳を重ねると身体への負担を実感する方も多いのではないでしょうか。
では夜型の生活はどれくらい疾患リスク、死亡リスクを上昇させるのか?
夜型生活は死亡リスクを10%上昇させる
英国の38歳から74歳の男女約43万人を対象にした研究を用いて
- 「完全な朝型」(対象者に占める割合は27%)
- 「どちらかといえば朝型」(同35%)
- 「どちらかといえば夜型」(同28%)
- 「完全な夜型」(同9%)
の4つのタイプにと全死亡リスク、健康リスクを割り出した。
健康を中心に考えた場合、どれくらいのリスクがあるのか?さっそく見ていきましょう。
精神疾患リスク2倍、糖尿病リスク1.3倍など
これによると完全な夜型はライフスタイル因子を調整しても10%死亡リスクが高い。死亡率だけ見るとサラリーの上昇と比べて、さほどリスキーではないような気もします。
ただ糖尿病や、精神疾患のように一度罹患すると長引き、医療費も積み重なってしまう疾患のリスクも上がります。この研究での主な結果は以下の通りです。
- 完全な朝方と比べて精神障害リスクは1.94倍
- 糖尿病リスクは1.30倍
- 神経障害リスクは1.25倍
- 胃腸/腹部疾患リスクは1.23倍
- 呼吸器疾患リスクは1.22倍
という結果だったようです。
一度病気になってしまうと、その後医療費がかさみ、病気が増える傾向にあることを考えると、その分のサラリーが上乗せされているともいえる。
飲酒、喫煙などは考慮された数値ではあるものの
この結果は「夜型の人は飲酒や喫煙、ドラッグなど非健康的な行動に遭遇する機会が増える可能性が考えられるので、絶対的に夜型が悪いわけではない」としている。
この研究ではありませんが、夜型の生活が心疾患リスクを上げるという報告もありますから、当然注意が必要です。
現状仕方なくな方の対処法
そんなこといきなり言われても、現状夜勤などで致し方ない方も多いです。
都市生活は、夜勤の方の努力なくして成り立たないのが現実です。
命を削りながら稼いでいるということを肝に銘じていただき、どのような対策をとったら良いのかを考えましょう。
この論文で提案されているのは、
- 睡眠時間を十二分に取るよう心掛ける
- 定期的な運動習慣を身につけていく
- 食事内容に気を付ける
などの正の日常生活習慣を身に着けていくことで死亡リスクが減る可能性はある
と締めくくられているように、夜型それ自体が負の生活習慣であることを認識していただき、上記の3つを実践して精神的安心感を得られるようにしていきましょう。
将来的にはロボティクスによる夜勤が増えて、人間への負担を減らしていこうという気運が高まるとは思いたいですが、完全には人間の夜勤が無くなるわけではありません。
またクリエイターは夜を好む性質があるので、自ら好んで夜型になっている部分もあります。よく自分を削って作品を作るという表現をしますが、夜型ひとつとっても、まさに表現どおりなわけです。
2023年の研究では嗜好品の影響だそう
一概に夜型が悪いわけではなく、夜起きている方はお酒、タバコを手にすることが多く、どうもそちらの影響らしいです。