太極拳が心疾患患者のリハビリに良い理由
太極拳のゆっくりとした動きは昔から身体に良いと言われています。私も最近太極拳を習い始めて、ヨガでは気づけなかった身体の使い方の数々に感動を得ています。

今回ご紹介する研究では心疾患患者のリハビリとして有益な可能性があることが解かったようです。
その理由は太極拳のゆっくりとした動きと呼吸にあるようです
まず心疾患患者はご自身の体力の衰えから、身体活動の再獲得を不可能なことだと考えてしまう傾向にあり、実際60%を超える心疾患患者さんはリハビリテーションに参加しないという。
そこで太極拳はゆっくりかつ、平易な動き(外見的には)が連続する運動なので、まず患者さんの身体的負担が少なく尚且つ、呼吸やリラクゼーションに目を向けてもらえるということがメリットと言えます。
ここまでは何となく想像できますよね。
わずか29名の参加者だが、わかったこと
さてこの研究の面白いところは、もともと心疾患患者だったが、リハビリをしていなかった方々のみに絞って行われていることと
被験者29名のうち、喫煙者は27.6%、糖尿病は48.3%、高コレステロール症は75.9%、過体重は35%、肥満は45%でした。
結果は無理なく続けられ、人に勧められるが 太極拳単体では意味はないかも(しかしこれがポイント)
・太極拳は安全であり、副作用のような状態をも招く事もないようだ(正し軽度の筋肉痛は運動開始の初期には見られることがある)。
・太極拳は対象者がよく好んでいた(100%の対象者が友人にも勧めると回答していた)。
・太極拳は実行遵守の上でも合理的妥当性がある(平均で66%の出席率が見られた)。
・太極拳は3ヶ月後の時点で有酸素性フィットネスを向上させることはなかった(標準化された有酸素性運動負荷試験において)。
・太極拳はPLUS群つまり長期界丹生郡では3ヶ月後、6ヶ月後のそれぞれの時点での週当たりの中~高強度運動量を増加させた(この数値は装着式デバイスによって計測された)。ただし、この作用は短期プログラム群では見られなかった。
太極拳を行う事のみでは、明らかにこれまでの伝統的な心疾患リハビリテーションの代替手段として用いる事はできないようである。
つまり、リスクファクターについての教育や、食事法、服薬順守などを太極拳だけで置き換えることはできないと言うことだ。

ただし、上記で見られたいくつかの効果性がより大規模の研究で実証されれば、運動オプションとしてリハビリセンターの運動メニューに加える事で、より高強度の運動に対する橋渡し的な役割を担わせることも可能になるかも知れない。
また、院外において地域レベルでの身体活動実践を行う際には、有益な手段として機能する可能性がある、と研究者はまとめている。http://jaha.ahajournals.org/content/6/10/e006603
体験的に言えること
私は太極拳を始めて半年の初心者ですが、体験的にお伝えできることを上記の研究に照らし合わせて幾つか書いていきます。
一つは日常生活動作の練習になるので、新しい動き方を日常生活に取り入れることができます。それは膝に負担のかからない動きですから、高齢者や膝が痛い人には生活動作に対する恐怖を減らすことが出来ます。
つまり日常生活動作や他に行っている運動強度を関節に無理なく上げられ、活動的になることで心臓にも良いのだと思います。
また動き自体が非常に美しいですから、勉強していて面白いです。
そして研究で書かれているように非常に奥が深いですから、同じ動きの中でもどんどん強度を上げられます。
私も間違いなくリハビリテーションセンターの運動メニューに加えることに賛成します。