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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

カイロプラクティックは喘息に効果的か?

目次

 喘息は軽度・中等度喘息と重度喘息は異なるタイプの疾患

興味深い2012年の研究です。通常の喘息治療が功を奏さない場合に検討してみてください。キーワードは喀痰(たん)です。

軽度あるいは中等度の喘息患者のおよそ半分は、より重症の患者とは異なるタイプの疾患であることが新しい研究で示され、米医学誌「American Journal ofRespiratory and Critical Care Medicine(呼吸器・クリティカルケア医学)」に掲載された。通常の治療が奏功しない喘息の説明になるという。

気道の炎症があるのか?半数はない

喘息は気道の炎症を伴う慢性疾患で、現在の抗炎症治療は、喘息で一般的な好酸球性気道炎症を標的としている。好酸球(eosinophil)は白血球の1つで、感染との闘いを助け、免疫応答における役割をもつ。しかし、今回の研究では患者の半数近くで好酸球性気道炎症がみられなかったという

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)気道臨床研究センター長のJohnFahy氏らのチームは、9件の臨床試験に参加した喘息患者995人の喀痰中の好酸球を繰り返し測定。

47%では気道に好酸球がみられなかった。一部患者は、間欠的に好酸球性気道炎症があり、一部の患者はどの測定でも好酸球がみられた。

また、抗炎症薬である吸入コルチコステロイド(ICS)を用いていない患者の36%に症状がみられ、ICSを用いている患者の17%に症状がみられた。

2週間の抗炎症薬および気管支拡張薬治療の後、好酸球性気道炎症の患者に治療がよく奏功し、呼吸に改善がみられたが、炎症のない患者には奏功しなかった。

気管支拡張薬への反応は、どちらのグループでも同様だった。研究者は「今回の研究は、喘息は一つのタイプの疾患でないという考えを強固にするものである。

白血球が関与しない症例が50%近くに達するということは、多くの異なるサブタイプの存在が考えられる」と述べるとともに、「軽度から中等度の喘息のかなりの症例が、メカニズムのほとんど知られていないタイプであり、新しい治療法の必要性が示されている」としている。

医師は喘息患者に対し喀痰が多いかどうかを尋ねることを助言している。もし喀痰多いようであれば、コルチコステロイドが奏功しやすい

私自身の症状は喀痰が少ないです。前回4年前の時に喀痰が多かったかどうかは忘れましたが、今回は毎回痰が出るかどうかを医師から確認されてその都度「殆ど出ない」と答えています。

2か月に及ぶシムビコートによる治療で少しずつ改善してきてはいますが、まだ咳が出るのは上記の知られていないタイプの喘息なのかもしれません。

農家の子供はアレルギーになりにくいらしい

アレルギーといえば今の時期は花粉症でしょうか。ヨーロッパでの新しい研究では農場で育つ子供たちが小児喘息になりそうにないということがわかりました。

喘息で苦しんでいる方はご存じだとおもいますが、そもそも喘息の原因はわかっておりません。この研究では、幼少の頃微生物にさらされていると、例えば(バクテリアまたは菌類)喘息にならないとのことです。幼い頃から微生物への露出が喘息の予防となるとされています。

 他の研究では、農場 ― 特に牛、ブタと干し草にさらされている環境では喘息の子供が出ないそうです。

 具体的な数値は、喘息のリスクは農場に住む子供では51%も減るそうです。

2018年末ころから、本格的に腸内細菌と鬱やアレルギーの関連が指摘されるようになってきています。追ってお伝えできることが出てきたらご紹介します。

喘息の再評価の必要性

去年から喘息様症状に悩まされているのですが、諦めの悪い私は発作が無いという理由で別の原因も考えられると思っています。

世の中、思っていたより多くの方が咳に悩まされています。

成人の喘息は再検査で3割が否定される

そんな可能性を後押ししてくれる研究がカナダで行われました。

以下引用抜粋

■成人喘息、3割は再評価で否定

過去5年以内に医師から喘息と診断された成人患者のうち、3分の1は再評価で喘息が否定される。

方法:12週間で計4回受診して、家庭ピークフロー測定、症状モニタリング、スパイロメトリー、気管支負荷試験による喘息の再評価を実施。

喘息治療薬を常時使用していた患者には徐々に中止させた。

状況:対象とした701例(平均51歳、女性67%)のうち、再評価を完了したのは613例だった。うち531例は最近喘息治療薬を使用しており、273例は吸入コルチコステロイドおよび/または抗ロイコトリエン薬を毎日使していた。(約39%)

結果:613例中203例(33.1%)では喘息治療薬を中止したあとも気道閉塞、気管支反応性亢進、あるいは症状の悪化を認めなかった

「現在喘息あり」と判定されたのは613例中410例にとどまった。

その後:喘息と再評価されなかった患者群には12カ月の追加追跡を行ったが、181例(29.5%)は最終的に喘息なしと評価された。息と再評価されなかった患者では、初期診断の際、気流制限検査が行われていない傾向があった。

喘息と再評価されなかった患者は比較的良好な状態にあり、かつ大半が無症候性だったが、重篤な心肺疾患などが喘息と誤診されているケースも計12例(2%)

寛解した喘息への過剰治療、あるいは誤診に基づく喘息治療は、患者に不要な副作用リスクを与え、治療コストを強いることになる。著者らは「『現在の喘息なし』とされた患者の35%は喘息コントロールのための薬を毎日使用していた」とし、喘息診断の再評価の必要性を強調。

Aaron SD, Vandemheen KL, FitzGerald JM, Ainslie M, Gupta S, Lemière C, Field SK, McIvor RA, Hernandez P, Mayers I, Mulpuru S, Alvarez GG, Pakhale S, Mallick R, Boulet LP; Canadian Respiratory Research Network. Reevaluation of Diagnosis in Adults With Physician-Diagnosed Asthma. JAMA. 2017 Jan 17;317(3):269-279. doi: 10.1001/jama.2016.19627. PMID: 28114551.

長く吸引薬を使っている方は、一度再評価しても良さそうですね。

喘息持ちというレッテルを剥がせるかも

私のような疑い深い患者は自ら喘息コントロールの為のステロイド吸引を止めている。(上記の喘息なしの3割に当てはまらなかったら笑えますが…)

それはそうと現在物議を醸している石原元都知事が行った喘息患者への医療費補助?も3割の方は不要になるということでしょうから、再検査を行うことが得策ではないかと私は考えます。

追記:2019年現在では運動療法と風邪に引き始めに副腎疲労サプリを飲むことで咳がでないようにコントロールできています。もう2年くらいになります。

さらに追記:2021年 去年からマラソンを始めて月に100-200k走るようにしています。体力が低下していることを実感して、そのことも咳が出やすい、風邪の後に咳が残りやすい原因である気がしています。

まとめ

西洋医療、代替医療どちらが優れている?カイロプラクティックは喘息に効果がある?という問い自体が古い発想であることがわかっていただけたと思います。

大切なのは医療提供者側と喘息患者さんが話あい、その都度患者さんにとって最良の喘息コントロール方法を組み合わせていくととだと言えるのではないでしょうか?

そのような意味でカイロプラクティックも喘息ケアに大いにお役立ていただければ良いのではないでしょうか?

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