コクランレビューの更新です。いつも言いますがコクランレビューは一番厳しい評価です。ですので信頼がおけますし、表現に妥協がありません。妙な期待もさせないですし、私が思うに非常に現実的な表現がしてあります。
それでは対面心理療法の子供、青少年への痛み軽減効果をみていきます。
慢性的な痛みは、3か月以上再発または持続する痛み
多くのガイドライン等での慢性痛の定義は3か月以上持続する痛みとされます。子供、青年においても同じです。
慢性痛は小児期にもよく見られます。慢性的な痛みは、日常生活のほぼすべての側面に影響を与える可能性があり、活動障害、不安、および抑うつ症状に関連しています。慢性痛自体が不安や鬱気分と関連しています。
痛み、障害、うつ病、不安 4種の影響を評価
この更新されたレビューの主な目的は、痛みの変化に対する心理療法の効果を決定すること。
積極的治療、待機リスト、または通常の治療と対面的心理療法を比較して、小児および青年の慢性および再発性の痛みの強さと、動きづらさを評価。
第2の目的は、小児の抑うつ症状および不安症状に対する心理療法の影響を調べ、効果を決定すること。
痛み、障害、うつ病、不安の4つの結果に対する状態の影響を、治療終了直後、3~12カ月後の2回で調べられています。文献レビューには合計47の研究、2884人の子供と青年が含まれる。
- 23件の研究が頭痛(片頭痛を含む)の治療
- 腹痛の場合は10件
- 2件の研究は腹痛または過敏性腸症候群
- 2件の研究は線維筋痛症の青年
- 2件の研究は側頭下顎障害の青年
- 3件は鎌状細胞疾患に関連する痛みの研究
- 2件の研究は青年の炎症性腸疾患を伴う痛みの研究
- 3つの研究は、混合疼痛状態の青年の研究。



こうやって並べて見ると、実にさまざまな原因からの痛みについて調べられてあります。
全体、含まれている研究は、研究結果をゆがめてしまう分析用データの偏りがありました。(コクランレビューなのでこのあたりも厳しい評価)
主な結果
- 頭痛のある子供および青年は対面心理療法の治療後に、痛みの頻度が減少することがわかりました。
- 病気が起きる確率比-2.35。
- 追加の有益な結果を治療するために必要な数は2.86回。
- これらの効果はフォローアップ時に維持されませんでした。



短期的にはだいぶ有用なようですね。
- 治療直後の若者の活動障害の軽減に対する心理療法の有益な効果は見つかりませんでした。
- フォローアップ(3-12ケ月後)時の少数の研究でも有益な効果が見つかりました。
- うつ病や不安症状に対する心理的介入の有益な効果は見つかりませんでした。



心理療法なのに、青年鬱への効果がないのは逆に驚きですねが、痛みに効果があるのは新鮮です。
- 混合疼痛状態の小児への心理療法により、混合疼痛状態の小児および青年の治療直後の疼痛強度が低下することがわかりました(SMD -0.43、95%CI -0.67〜-0.19、P <0.01)
- しかし、これらの効果は維持されませんでした。
- 治療直後(SMD -0.34、95%CI -0.54〜-0.15)およびフォローアップ(SMD -0.27、95%CI -0.49)で、混合疼痛状態の若者の活動障害を軽減する心理療法の有益な効果が見つかりました。



混合疼痛患者に限っては心理療法が活動障害を長期的にも良くするようですね。※侵害受容性の痛みと神経障害性の痛みが重なっている患者
- 混合疼痛状態の小児では、治療後の不安に有益な効果が見られましたが、これはフォローアップでは維持されませんでした。
全体的には「短期的に痛みからの活動障害には有用です」最後に著者の結論を見てみましょう。
7件の試験で有害事象が報告されていることがわかりました。そのうちの2つの研究は、研究に関連する有害事象を報告しました。
著者の結論: 主に対面で提供される心理的治療は、治療後の頭痛または他の慢性的な痛みの状態を伴う子供および青年の痛みを軽減するのに効果的である可能性があります。
ただし、フォローアップでは影響はありませんでした。心理療法はまた、治療後とフォローアップで慢性疼痛状態が混在する子供たち、およびフォローアップで頭痛のある子供たちの障害を減らすのに有益でした。うつ病や不安を改善するための治療法の有益な効果は見つかりませんでした。


臨床への応用
心理療法家や代替医療家は、青少年への痛みの軽減、頻度低下の短期的効果を対面の心理療法で遂行できる可能性があります。
私はカイロプラクティック臨床の中で認知行動療法を積極的に行いますが、徒手療法ありきの対応をしていますから単体での認知行動療法は行ってきませんでした。
若年の女性で身体疼痛があり、触れられることを極端に嫌がるのであれば、心理療法単体での対応も短期的には推奨して良いという解釈をしました。
青少年の患者さんにおかれましては、一つの参考にしていただければ幸いです。










