睡眠問題と体の痛みが併存する方が、薬物療法以外の方法で効果がでるのか?について書かれたものです。睡眠がうまくいかない人や体が痛い人は、薬を飲むだけではなく、他の方法で治そうとすることがあります。例えば、心理療法やリラックス法などです。これらの方法は、睡眠や痛みに効果があるのでしょうか?
認知行動療法の結果は不十分
睡眠障害は一般的であり、持続的な痛みに関連している可能性があります。お薬以外の方法が、併存する睡眠障害と身体の痛みを伴う『成人の睡眠と痛み』を改善するかどうかは不明です。
私自身は不眠症の第一選択が認知行動療法だと言われているので、ある程度の効果を期待していましたが、痛みが併存している場合は簡単ではないようです。当院のカイロプラクティック臨床の中では、手技療法、認知行動療法が併用して行われるため、どちらにより効果があるのかは体験上不明です。
身体の痛みを訴えて来院される方が多いですが、一定の割合で睡眠にも満足していない方がおられます。
短期的には睡眠、痛み双方に効果はある
要約すると、この研究のメッセージは以下のようになります。
- 睡眠がうまくいかない人や体が痛い人は、薬以外の方法で治そうとすることがある。
- 心理療法(認知行動療法)やリラックス法などの方法は、睡眠や痛みに短期的に少し効果があるかもしれないが、はっきりとはわからない。
- 短期的に痛みが取れることで、長期的に痛みのコントロールに効果がある可能性はある。
- 睡眠や痛みに効果的な方法を見つけるためには、もっとしっかりした研究が必要。
カイロプラクティックの臨床経験では、身体の痛みがコントロールできてくると睡眠の質は確実にあがると言えます。椎骨サブラクセーションがある場合に初診後に存在状態が上がってくる過程で、良い睡眠が自然ととれるようになります。
効果が短期的、限定的である理由
認知行動療法も痛みのコントロールには有用ですが、もともと痛い部分には何かしらの筋骨格系の障害が潜んでいる場合には痛みを構成する要素の一部に有効とされています。
その方の抱える痛み、その解釈(苦悩)を下げることはできるのですが、痛みそのものを減らす効果は少ないのかもしれません。
痛みに焦点を当てた認知行動療法は国立精神・神経研究センター、福島県立医大双方、6回のセッションで考えられています。私の臨床経験では、6回で済む方もいるけれど、もっと時間を要する方もおります。苦悩の部分だけに焦点を当てていれば6回で充分とも言えます。


苦悩の部分だけに焦点を当てていれば6回で充分とも言えます。苦痛と苦悩のどちらか片手間では、患者さんの主観的改善の実感が少ないのも臨床経験上はっきりしています。
医療経済的な観点で言えば、ハッキリ言ってかなりの人的、時間的なコストが必要です。医療従事者側は基本的に保険医療の枠組みの中でマネージメントを行いますので苦痛と苦悩の両方へのアプローチは医療資源的に難しいと思われます。
当院、カイロプラクティックという形で真摯に痛みと向き合っていますが、施術料に見合わない労力を要することは間違いありません。患者さんの利益を優先すること、高額所得者しか受けられないような料金では意味がない、との理由で何とか運営を続けております。それでも保険医療と比べて患者負担は大きいですから、効果のある最善の策を日々考え続けています。
痛みだけ、睡眠障害だけには効果的
この論文で間違えていけないのは、身体痛のみ、睡眠障害のみの場合、少なくとも認知行動療法は効果が確認されていますので、どちらか片方の症状がある方は、心理療法を取り入れると良いでしょう。
睡眠障害は学会では、認知行動療法を第一選択とすると定めていると記憶しています。












