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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

    圧迫骨折と痛みは無関係

    高齢者

    にわかに信じがたいですが、圧迫骨折と痛みというものには関係性が無いという研究結果があります。

    焦る顔
    びっくり

    転倒して腰痛になったので病院にいったら「圧迫骨折」骨折の診断を受けた。暫く安静にしていなければならない。そのような会話を巷で聞くことがある。またWEBサーチにおいても多くの方が意見を集めているよですが実際には腰痛との関連性はないようです。

    他の腰痛疾患同様、骨の変形や椎間板の変形は気にする必要はない。何故ならば骨の変形が腰痛の原因ではないという根拠が大多数だからです。おそらく高齢になった親御さんの姿勢や痛みの原因に関連して知りたい方も多いはず。

    手術に踏み込むのに迷いがあるならば参考になるかもしれません。

    圧迫骨折は、痛みの原因ではない可能性が大きい!?

    圧迫骨折をしてしまって、腰が痛いけどカイロプラクティックケアは受けられますか?という質問をうけることもあります。

    整形外科へ行くとセメントによる骨形成術の案もでますが、痛みを取るという観点からすると『それは無意味』とう立場をとっています。

    但し急に悪くなった姿勢を元に戻すのは意味があると思われます。あくまでも急に悪くなった姿勢です。

    目次

    圧迫骨折に関係する研究

    腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した研究

    何と1957年の研究です

    これによると、両群間に変形性脊椎症、骨粗鬆症、椎体圧迫骨折などの異常検出率に差は認められなかった。

    したがって老化による解剖学的変化が腰痛の原因とは考えられないと結論
    (1957 Apr.PubMed Fullenlove TM et at al)

    2026年において正しい部分と正しくない部分

    1957年の研究ですが、概ね現代でも通じる内容です。いまでも通じる部分とそうでない部分を整理してみます。

    正しい部分

    圧迫骨折があっても腰痛が無い人がいっぱいいるということです。この方向性で2021年の研究では圧迫骨折の“画像上の進行”と痛みは相関しない

    2021年の研究では、 椎体圧潰の進行と痛み・ADL改善(日常生活動作改善)には相関がない と10名の小規模研究ですが、日本の研究で報告されています。

    2015年の研究では、 発症初期に活動量が高いほど痛みが早く改善し、ADLも良くなる と43名の小規模研究ながら、日本の研究でも示されています。

    2024年の研究では、 圧迫骨折後の慢性疼痛は、適切なリハビリ介入で予防できる と示されています。これも 構造変化よりも、行動・心理・活動量が痛みに影響する という現代の生物心理社会モデルと一致。

    正しくない部分

    圧迫骨折が痛みと完全に無関係というわけではない

    • 急性期は強い痛みを伴う
    • 慢性化には活動量・恐怖回避・心理因子が影響

    老化変化が全く影響しないわけではない

    • ただし圧迫骨折が“直接の原因”ではない
    • 圧迫骨折による痛みの説明力は低い

    この部分のまとめとして、圧迫骨折=痛みの原因ではない、しかし圧迫骨折が“痛みを引き起こす条件”を作ることはある。痛みの持続には

    • 活動量
    • 恐怖回避
    • 心理的要因
    • 生活習慣 が大きく関与する。

    つまり「構造ではなく、行動と心理が痛みを決める」 という1957年の洞察は、むしろ現代の研究で強化されています。

    椎体形成をした群と保存療法をした群を比較

    つぎに圧迫骨折後に背骨にセメントを注入して、背骨を膨らませたグループと、手術をしない保存療法グループを比較した研究を見てみましょう。

    こちらは2009年の研究です。

    経皮的椎体形成術群と対照群(保存療法)を比較したところ、

    両群間の疼痛および活動障害に差は認められず、圧迫骨折に対する椎体形成術の適用を支持する結果は得られなかった。
    痛みの改善に差なし

    機能改善に差なし

    QOLに差なし

    夜間痛・安静時痛も差なし

    どの時点(1週・1か月・3か月・6か月)でも差な
    (N Engl J Med. 2009 Aug 6)

    このことは別の論文でも同様に、RDQ(障害度)・痛みスコアともに差なし と報告されています。

    圧迫骨折の骨折部分にセメントのようなものを注入して骨の形を再構築しても、痛みや活動制限が改善されないという論文です。

    論文の解釈

    2026年での最新の体系的レビューレベル1やガイドラインでも、 「椎体形成術は急性期の一部症例を除き、 routine に推奨されない」 という立場が主流です。

    エビデンスレベル

    椎体形成術に効果があるとする研究の多くは「非盲検・レベル6」で研究の精度が低いです。 プラセボ効果の影響を排除できていない。

    保存療法でも自然経過で改善する。NEJM の試験でも手術なしで両群とも痛みは大きく改善した。

    リハビリ病院で時間を掛けて(一日1~2時間)リハビリを行いつつ、ヨガやピラティスに参加してリハビリテーションをしていきましょう。カイロプラクティックは日本の場合保険が効かないことを考えると毎日通うのは難しいかもしれませんね。

    カイロプラクティック臨床から言えることは、上記の運動を中心に、部分的に背骨の関節の動きを確保する。周囲の筋操作をおこない動きを促す。

    カイロプラクターは理学療法師やヨガの先生、ピラティスの先生が伝えられない情報や、動きの関連を個別に伝えることができます。このような情報を参考にしながら、費用等も考えて最善の選択をされていくといいでしょう。

    また心理的な要因が大きければ臨床心理士や、私のように認知行動療法をやっているところで心理的負担を減らすのも大切です。

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