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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

関節リウマチのリスク増大に糖尿、喫煙、肥満

肥満の人がタバコを吸うイメージ

糖尿病、喫煙、肥満の3つは関節リウマチの発症リスク増大に関連することが英国の調査でわかりました。
「Annals of the RheumaticDiseases」オンライン版に2013年3月16日掲載 (ヘルスデイへリンク)

数年にわたって追跡された2万5,000人強(40~79歳)のデータを調査。関節リウマチを発症した184人を非発症者と比較したところ、喫煙、肥満、糖尿病のすべてがリスク増大に関連。

因果関係を示したものでなく、関連性での話ですが興味深い調査ですよね。

喫煙する小太りの老人の後ろ姿
喫煙、肥満、糖尿はリウマチのリスクにもなる
目次

関節リウマチの人は足の温度が高い

また2021年の研究に興味深いものがあります。関節リウマチ患者は足の温度が高いらしいのです。これは足部の関節が炎症をしているサインとして、簡単なスクリーニングに使える可能性があります。

サーモグラフィーの倒れた画像
リウマチ患者の足の温度は健常者より高い

自己免疫疾患で罹患者数も増えているリウマチの早期発見の手立てになればよいとされています。

この研究は、寛解に至っているリウマチ患者32人(平均年齢60.19歳、女性29人)と、リウマチのない健常者51人(平均年齢36歳、女性39人)を比較。

対象者の足を、前足部や踵部などさまざまな領域に分け、各領域の温度をサーマルカメラで測定しリウマチ患者と健常者との間で比較検討。

※リウマチにおける寛解とは、関節の炎症が認められず、病状をコントロールできている状態のことを意味する。

【結果】リウマチ患者では前足部の内側、中央、外側の全ての領域で、健常者よりも平均温度が有意に高いことが明らかになった(1.8-2.5度C)

Gatt A, et al. PLoS One. 2020; 15:e0243078.

エビデンスとの向き合い方

今更ですが、肥満はさまざまな面で良くないみたいです。よくカイロプラクティックの臨床でも、運動器は運動する為にあるから、どんどん動いてくださいと伝えます。

皆さん、正しい座り方、正しい立ち方など静的な美を求めがちですが、それよりも先ずは動くことが大切です。多くの研究がそのことを示しています。

ところで最近、五木寛之さんの『選ぶ力』を読んでいるのですが、昨今の健康ブームについても書いてあり五木さんの面白い表現がありましたのでご紹介させてください。

『健康へのアプローチも時代とともに変化するし、ま逆のことを書いてある本もたくさんある。その中でどの健康法を選ぶか、最終的には自己責任で選ぶことになる。』

例えば朝食抜きが身体に良い、いや朝食は必ず食べた方が身体に良いなど、ま逆の説が巷には良くあります。

エビデンスがあるというとついつい信用してしまうような気がする。これくらい精度の高い研究で、こんな結果があるからきっとそうなんだろうと考えてしまう。

論文の精度が高くても必ず例外があります。最初のリウマチの論文でいうと、肥満で喫煙者で糖尿があっても関節リウマチでない人って必ずいます。喫煙者、飲酒者でも肺癌や肝臓がんにならない方も多いです。

確かにエビデンスは完璧なものではないのです。最近の医学の流行りというと語弊があるかもしれませんが、ひとつの指標程度で捉える視点も忘れたくないものですし、自己責任になる部分も多いです。

大事なのは自分の頭で常に考えて、身体の反応を感じて生きているか?ということに尽きるのだろうと思います。

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