超高齢化社会を、生き抜く知恵
高齢者では鬱病の罹患率が高いが十分な治療が行われていない。
そのため、治療戦略として運動を提唱することは公衆保健上の優先課題である。英国のBridle氏らは高齢者の抑うつ症状に対する運動療法の効果を評価した。Br JPsychiatry誌2012年9月号の報告。
高齢者うつ病患者への運動療法は有効
高齢者のうつ病と運動に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタ解析を実施
その際、参加者の適格性を決定するうつ病の抽出条件によって、治療効果が変化するかも評価【結果】
(Bridle C, et al. Br J Psychiatry. 2012 Sep; 201: 180-185)
・運動は、うつ病重症度の低下と有意な関連があった。
・これらの結果は感度分析においても、同様に有意であった。
・高齢者うつ病患者のうつ症状の重症度を低下させるために、患者ごとにカスタマイズされた運動療法は有効であると考えられる。
抑うつ症状改善に“手紙’’による介入
2021年に加筆修正しているのですが、年々孤独死や、不審死のニュースが多くなっているように思います。実際品川区近隣でも日常的に孤独死があります。もう単一のケースではニュースにもなりません。社会問題としてメディアが取り上げるくらいでしょうか。
京都大学で試験開始
米国で行われた手紙による介入試験は、5年間で24通の手紙を出したというもので、介入後2年間の自殺率が有意に減少し、全体では13年間にわたり介入群の自殺率が低かったことが認められたという。同様の手法を用いた試験はその後、イスラエル、オーストラリアでも行われ(目的は過量服薬または自傷行為防止、計3試験)、介入群に有意な効果が認められたことが報告されていた
5年で24通ということは、1年で2.8通。4カ月毎にお手紙をお送りするのも、悪くないですね。
既成概念では無理がある
今回、抑うつ状態の高齢者に同介入を試みることについて研究グループは
高齢者における抑うつはQOLを低下させ、罹病率や死亡率、さらに医療費を増大している。この疾患負荷への対策は、医学的政策と社会的政策が相まったものでなければならないが、既存の研究のほとんどが長期にわたる精神療法をベースとしたもので、なおかつそれらは地域での応用には不適当なものであることが背景にある
と述べている。
手紙による介入に着目した理由としては、「人的および予算的コストがほとんどかからない」ことを挙げている。そして、「本研究で、手紙による介入が有効であることが実証されれば、地域での介入のマイルストーンになるだろう」としている。
2023年において周りでこの手紙による介入をしているという話は聞いたことがありません。せっかくの良い案だとおもうので、社会で実装できるようになるといいですね。
今後の展開に期待します。
厚生労働省も動き出した
この記事を公開したのが、今から4年ほど前ですが何かしらの取り組みが始まったというのは未だ聞いておりませんせん。高齢者の方からしても嬉しいものなのではないでしょうか。
70歳代以上も とにかく運動。厚生労働省が動き出したようです。要介護の人数を減らすために70歳以上の方にも運動を勧めはじめました。
【共同通信社 3月19日(火) 配信】
新たな運動指針は「アクティブガイド」との名称で、お年寄りにも1日40分以上、体を動かすよう呼び掛けている。
農作業なり 運動基準は、運動や日常生活上の活動について、それぞれの強度を「メッツ」という単位で表示。
例えば庭の草むしり3・5メッツ(1時間当たり、以下同)、ラジオ体操4メッツ、ジョギング7メッツなどとした。65歳以上の人には、運動や活動の種類を問わず毎日体を動かし、1週間に10メッツ以上をこなすことを推奨している。
このようにあの手この手で結局、身体をうごかさなきゃならなくなるのが面白いところですね。
いろいろな考えかたがありますが、団塊の世代までは65歳まで何んとか貯金をして余生は趣味をしながら過ごすというのが理想的な人生像とされていたようですが私はそうとは考えていません。仕事を引退された方々を見ていても楽しそうにしている方は少ないように思います。
年金がもらえるのが遅くなる、はずれくじ世代、などと言うこともできますが、働かざるおえない時間が長いほうが案外充実した人生をおくれるのではないかと思う今日この頃です。