サプリに効果が有るという根拠は?
2015年前後からこのような研究が多いのですが、『骨粗鬆症にビタミンDとカルシウムサプリメントを毎日飲むと効果がある』という根拠はないようです。
2013年2月の時点でわかっているのは、ビタミンD は400 IU以下で毎日補充しないこと。
閉経後の女性の骨折の一次予防のためのカルシウムは1,000 mg以下で。
飲むことで精神的な安心感はあるのでしょうが飲んでいても、骨折率が下がるわけではないようです。
基本的にはバランスの取れている食事ならば、サプリメントの服用は必要ないとされている研究がおおいですよ。
それでサプリメントはもともと「主」を「補う」という意味です。
健康管理の為の「主」は食事、運動、睡眠です。まずはこの管理をしていきます。それを補う形でのサプリメントには意味があるのかもしれません。
ですから、ビタミンDをしっかり摂ろうと考えた場合、基本的には
- 油性の魚–サーモン、イワシ、ニシン、サバなど
- 赤身肉
- 肝臓
- 卵黄
- いくつかの脂肪スプレッドや朝食用シリアルなどの栄養強化食品
などから摂ってあげてください。
読〇新聞の紙面広告に次から次へとサプリメントの効能が説明されていますが、大規模な比較対照試験は行われていません。
2021年の研究で再確認される「意味なし」
いくつかの観察研究では、ビタミンDレベルの低下は、骨折、転倒、機能制限、ある種の癌、糖尿病、心血管疾患、うつ病、および死亡のリスクと関連している。
しかし人種や集団によるビタミンD不足に違いがあり、その定義がハッキリしないのが現状。
たとえば、非ヒスパニック系黒人は、白人よりも低ビタミンDレベルの有病率が高いにもかかわらず、骨折の報告率が低くなっています。
死亡率に差は無い
あるレビューではビタミンD欠乏症のスクリーニング検査(早期発見検査)の利点を直接評価した研究を発見できませんでした。つまり早期にビタミンD不足であることを見つけても利点がないというのです。
ちょっと驚きますが、いろいろある研究期間は16週間から7年の範囲で行われているものの、8件の試験(被験者 2006人)の分析では、対照と比較して、ビタミンD治療にランダム化された人のすべての原因による死亡率に差は無いと言います。
つまりビタミンD不足を何らかの形で判断して、治療しても死亡率に差がないのです。
骨折率にも差は無い
6つの比較対照試験が、地域在住の成人の骨折転帰について報告した。研究期間は12週間から7年の範囲でした。6件の試験(n = 2186)の分析では、プラセボと比較して、ビタミンD治療にランダム化された試験間で骨折の発生率に差は見られませんでした。
心血管障害の発生率においても意味はないそうです。2つの試験で同様の報告です。スタート地点で血清ビタミンDレベルが20 ng / mL未満の参加者のサブグループ間で、治療群(ビタミンD投与群)とプラセボ群(偽の薬)の間で心血管イベントに統計的に有意な差は観察されません。
乳癌、直腸がん、転倒、鬱病にも差はない
7年間の追跡調査で発生した乳がんまたは結腸直腸がんのも、積極的なビタミンD不足治療とがんの発生率との間に統計的に有意な関連性を示しません。
また転倒が少なくなるわけでもなく、鬱病の発生もDサプリを飲んでいる方が少なくなるわけでもないようです。
ビタミンDは筋肉の健康をもサポートしない
関連するランダム化比較臨床試験から入手可能なすべてのデータの分析によると、ビタミンDの補給は、筋肉の機能、筋力、または質量に有益な効果をもたらしません。
テストの種類によっては悪影響も出るようです。
なんと有害事象はある
サプリメントだから害はないだろうと考えるのではなく、一般的なお薬と同じく有害なこともあります。
このレビューでは、胃腸症状、倦怠感、筋骨格症状、頭痛などの総有害事象の発生率、および重篤な有害事象は、一般的に治療群と対照群の間で類似していた、とありますので基本的には有害なことも一定数はあります。
再三書いていますが、サプリメントに関しては多くのものが具体的な効果がないことが判ってきています。
ただし飲んで気分的に安心感を得たり、主観的に高揚感が得られるようでしたら嗜好品として使用するのはありだとおもいます。
その際、常備薬を含めて5種類くらいまでの服用にとどめましょう。思わぬ副作用が起こりうる可能性が高まると言われています。詳しくはポリファーマシーの動画をご覧ください。