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伊藤孝英
カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長
RMIT大学(ロイヤルメルボルン工科大学)日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛という観点から、生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジしてマルチモデルで腰痛ケアをしています。鬱・不安などの気分障害で過度な薬物療法に疑問をお持ちの方もお気軽にお問い合わせください。
そのまんまサンシャイン公式ホームページ
筋骨格系の症状はもとより代替医療のセカンドオピニオンもお気軽に聞きにきてください。https://chirosonomanma.com

線維筋痛症に電話による認知行動療法や運動療法は有効

鉄アレイを手に電話する女性
線維筋痛症の方の生活の質を上げる
目次

認知行動療法や運動療法、その併用は線維筋痛症に有効

どこにいっても良くならない痛み、いたるところが痛い、身体の沢山の部位に痛みがある場合に線維性筋痛症の診断がでます。

このような状態の方に、電話による認知行動療法(CBT)または運動療法が有効であることが明らかになったという。

慢性的な筋骨格系の痛みの軽減には運動療法が必要ですが線維性筋痛症にも有効であるという。
この研究のポイントは『対面によるセッションには限界があるため、電話によるサポートが行われている』という点です。

当院でもSkypeを使ってサポートする体制があります(利用者はほとんど無いですが…)。

線維性筋痛症とどう向き合うか

比較対照試験

さて研究ですが

⓪通常治療群(慢性広範痛治療ガイドラインにある、薬物療法、理学療法、心理療法)
①電話によるサポートの認知行動療法(TCBT)
②運動療法群
③それらを組み合わせた治療をプライマリケアで提供する群

に分けて追跡。
慢性疼痛グレード質問票〔CPG〕と全般的健康質問票〔GHQ-12〕による評価)で調整しても、通常の治療に比べ、積極的な治療を受けた3群の患者の改善は有意に大きかった。

6カ月後に転帰良好と判定された患者は、
⓪通常の治療群では8.1%、
①TCBT群では29.9%、
②運動群は34.8%、
③併用群は37.2%で、

9カ月後はそれぞれ
⓪8.3%
①32.6%
②24.2%
③37.1%になった(P<0.001)。

今回評価された6カ月間のTCBTまたは運動療法は、慢性広範痛患者のCPGを有意に改善することはできなかったが、患者の自己申告に基づく全般的な健康状態に臨床的に意義のある改善をもたらしたという。

カイロプラクティックにおとずれる患者さんの中にも、慢性広範痛を訴える患者さんも少なくないです。

慢性痛のある患者さんでも、数回の治療で劇的な改善を期待している方もおります。そのまんまサンシャインでは認知行動療法、メール、運動療法、カイロプラクティックケアとを併用しています。最大限の効果は望めます。

ただし焦らず上記の研究のように、半年くらいのスパンで回復を考えていたほうが良いでしょう。

慢性疾患への認知行動療法は「不安」自体を改善させる

不安と気分がいい
認知行動療法で不安を緩和できる

健康不安の改善は2倍

心臓や内分泌系、消化器系、呼吸器系疾患に一旦かかると、問題が長期化していわゆる慢性疾患と呼ばれる状態になることが多いです。

投薬や食事制限など可能な限りのケアをしていくわけですが、慢性疾患は将来への不安や、生活の不安などさまざまな不安が付きまといやすくなります。

そこで、その「不安」自体をある程度軽減することが、患者さんの生活の改善に繋がるのではないかという考えのもと、認知行動療法が行われると、不安が小さくするなるというらしいのです。

実際認知行動療法はさまざまなシーンで有用であることが研究で明らかにされてきているので、いろいろなシーンで有効であることが予測されます。

慢性疾患症状が安定している444人を2グループに分け研究

スクリーニングされた28,991人の患者のうち、444人が病状が安定していて、病状に左右されていないと判断されたて研究対象となった。

循環器、内分泌・代謝、消化器、脳神経、呼吸器の部門に通院中の健康不安を有する16~75歳の患者を対象とした多施設無作為化試験。被験者は、病院周辺の地域住民で、慢性疾患で通院中の、病状が安定している患者を対象。

適格患者となった患者はコンピュータで無作為に、通院先の病院のセラピストによる認知行動療法(5~10回のセッション)を受ける群と通常の治療のみを受ける群に割り付けられ追跡。

「方法」

1年時点の健康不安症状の変化(Health AnxietyInventoryで評価)

また主要副次仮説として2年間の健康・社会的ケアコストの総額に差異がないこと(150ポンド)についても評価

「結果」

  • 健康不安の標準レベルへの改善達成、認知行動療法群が健康不安が標準レベルに達する人数が通常ケア群に比べて約2倍という。(不安が通常レベルになる人が多かった)
  • 同様の差は、6ヵ月時点、また2年経過した時点でもみられた。
  • 社会的機能や健康関連QOLについては、両群で有意な差はみられなかった。
ドクター

面白いのは社会機能やQOL(生活の質)には差がないことです。
これは主に患者さんの抱えている症状への不安をターゲットにしているので、「冷静に考えたら大丈夫だよね」という患者さん自身の発見が沢山あったのだと思います。

認知行動療法は自分のことを客観的に判断できるようになる優れた精神療法です。言われてみれば当たり前のことでも日々の生活にどっぷり浸かっていると、自分を客観的に見られなくなるのも人間というもの。

生きていれば当然不安はありますし、慢性疾患がなくても不安が襲ってくることもあります。この研究が指し示すように、半年、2年後も不安が少ない生活が送れるのなら、認知行動療法を試してみる価値は充分にあると思います。

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