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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルでヒューマンケアしています。

ピラティスをしているが背中が痛い

うつ伏せで背中を心配する女性
ピラティスを続けているが背中が痛い方は多いです

腰痛や肩こり、背中の痛みを機にピラティスを始める方、ピラティスをしているが腰痛が減らない方などいろいろな悩みがあります。

これらの悩みを減らすためにどう考えたら良いのかを医学文献を参考にしながら、カイロプラクターが説明していきます。

前半は統計情報です。

目次

ピラティスと腰の痛みの統計情報

医学論文をあたりますと、あたりまえかもしれませんが基本的には「腰痛患者へのピラティスの有効性」ということで調査されています。

ということで一番新しい質の高い論文(システマティックレビュー)を見るといろいろと判ってきているようで面白いです。

2019年、最高水準の慢性腰痛の治療におけるピラティスベースのエクササイズの適用研究

Eliks M, Zgorzalewicz-Stachowiak M, Zeńczak-Praga K. Application of Pilates-based exercises in the treatment of chronic non-specific low back pain: state of the art. Postgrad Med J. 2019 Jan;95(1119):41-45. doi: 10.1136/postgradmedj-2018-135920. Epub 2019 Jan 12. PMID: 30636192; PMCID: PMC6581086.

さて我々カイロプラクターも運動療法の一つとして初歩的なピラティスエクササイズを覚えてもらうことがあります。その上でも大変勉強になります。

最初にお断りをしておかなければいけないのは、世界中で医療費の高騰で問題になっている「腰痛」に焦点を当てて研究が行われている為、部分としては「12肋骨下端からお尻までの間」です。

つまり背中全体の痛みback pain ではなく、Low back painの研究であることをご了承ください。いわゆる背中の痛みの高品質研究は未だ存在しないと思われます。(もし見つけた方は教えてください。)

骨格模型の後ろ側で痛みの領域を説明
この領域のお話です。論文的には足の症状があるものも含まれています

はい、それでは始めます。

医学論文に慣れていない方の為に、簡単な説明をします。

方法としては腰痛の患者を集め、2グル-プに分けます。
週に1-4回の30-60分のレッスンを6-10週間行ってもらいます。
腰痛の強さ、生活の活動障害がどれだけ減るか?という枠組みで実施されています。

1-4回など書き方に幅があるのは、このレビューで再読された高品質研究の設定がまちまちだからです。

このページでは要点だけ書いていきますが、その場合誤解が必ず生まれます。

短期的にはマッサージや他のエクササイズと同等の効果

腰痛患者にピラティスプログラムを、週に1〜3回、4〜15週間実施した、内容はフロアーと専用ピラティス機器に分けて行われたようです。

短期間の介入ですが、マッサージや他の形式のエクササイズと同等の効果があったようです。(※痛みが0になったわけではないのでご注意)

最低限の介入よりは効果的

週に1-4回、各一時間のセッションを数週~3か月行った研究によると、低品質、中程度の品質だけど、痛みの軽減、日常生活動作の改善において、最低限の医学的介入より効果的だった。

この場合おそらくですが、最低限の介入は「安静を避け、日常生活の維持の指示」だと思われます。

レッスンは週に2-3回以上実施されるべきで最低60分を20セッション

冊子を読んで各自行ったり(今だったらYouTubeでしょうか)するのではなく、監視されたものである必要が提案されています。最低30-60分を週に2-3回実施されるべき とする研究が含まれています。

あくまでも慢性腰痛を改善させる目的であれば、の話です。

週1回より2回のレッスンが望ましい 3回やらなくてもいい

日本人による研究です。宮本先生らによる研究は週に何回レッスンを行うのが痛みの管理に一番有益かを特定するものです。

1回でも効果はあるが、2回の方が優れていいる。3回行っても痛みや生活障害の改善には有益でない、という結果でした。

前屈苦手、太りぎみで股関節硬すぎず、慢性腰痛でない、脚はOKな人

個人的に面白い研究です。

どんな人がピラティスによって腰痛管理において利益があるかをカテゴリーする研究で判った、改善が見込める4つのタイプ

  • 体前屈が70度かそれ以下の人(前屈が硬い人)
  • 腰痛持続期間が6カ月以下の人
  • BMIが25以上の人で股関節の平均可動域が左右ともに25度以上ある人(たぶん硬すぎない人の意味)
  • 脚に症状がない人(痺れや痛みが足にまで及んでない人=単純な腰痛)

上記に入る人が臨床予測ツールに含まれるべきだという論文です。

前屈角度を示す絵

そこそこ身体が硬い人。この絵だと40度くらいかな。90度まで曲がる人はピラティスで改善が見込めないかも

股関節の可動域説明
股関節の可動域は6方向を足して6で割る。


股関節可動域の和の商が左右ともに、25度以上なので股関節が硬すぎる人は改善見込めないかも。※BMIが25以下の人は当てはまりません

腰痛が6カ月以下の人。

慢性腰痛になると感情や記憶も関わってくるで一概に身体能力を上げても回復するわけではないです。

単純な腰痛の方に限りる

痺れなど脚にも症状が及んでいる方は、膝までだろうが、足首までだろうがピラティスで改善しないかもしれません。

ピラティス機器ベターかorフロアーと同等

これは3種類の論文が考察され、1つは同等、2つはピラティス機器使用のほうが優れていると結果がでていますが、詳細をみると機器を使っているグループは理学療法士の監視が行われている。

また参加者が4名とすくないですから確実なことは未だ言えません。

また機器を使用するとで、特有のプラセボ効果が働いている可能性も指摘されています。

研究まとめ

上記の論文の結果考察によると

資格のあるインストラクターが監督するセッションを週に2〜3回の頻度で、約60分続くことが推奨されています。
さらにレッスンは参加者ごとに個別に選択する必要があります。(これが日本だとプライベートレッスンでないと難しいでしょう)

女性医師

ピラティスのプラスの効果は、3〜6ヶ月から17カ月後に観察されました。1.2カ月で効果を期待しないほうが良さそうですね。

なお多くの研究は40-50歳の女性の腰痛持ちの方が対象になっています。

次ページはピラティスでロールアップが難しく感じる方の背中をカイロプラクターがみてどう感じたか、です。

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