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首痛ケア エビデンス

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急性期にカイロプラクティックのような保存療法を受ける場合

保存療法を選択する目安は発症して2.3日経過しても沈静化してこなかったり、悪化してきている場合に選択すると費用対効果に優れています。勿論費用的に問題なければ発症した日に保存療法の治療院を訪れるに越したことはありません。

理由は寝違いのような首の痛み、慢性的な首の痛みはカイロプラクティックを受けると急速に回復に向かうことが統計的に解かっているからです。

頚椎の脊椎マニピュレーションも長年医学会から効果が疑問視されてきましたが、2018年ようやく無作為2重盲検比較対照試験においてその効果が科学的に証明されてきています。

(Lascurain-Aguirrebeña I, Newham DJ, Casado-Zumeta X, Lertxundi A, Critchley DJ.  Musculoskelet Sci Pract. 2018)

急性の場合、多くの場合は自然に痛みは減ってくる自己限定性疾患です。病理的な疾患である場合は発熱があったり他の部位への関連痛があることもあります。もちろん病理的なものでなくても他の部位への関連痛を認めることも珍しくはありません。

さて自己限定性疾患とは一定の経過を辿り、回復することが解っている疾患のことです。先ほどもご説明したように、完全に自然回復するには1か月くらいを考えておいてください。このときはストレッチなどはしない方が良いとされています。あくまでも日常生活を続ければよいです。

首のカイロプラクティック治療が怖い方は、胸椎(背中のアジャストメント)だけでも首の痛みの軽減が見込めます

首の高速低振幅の関節操作が怖い方もいらっしゃいます。その場合は胸椎の操作でも痛みの軽減があることが解ってきています。首のマニピュレーションによる事故の確率は研究にもよりますが、40万~500万回に1回起こってしまうと考えられています。

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たまにマスメディアを賑わすカイロプラクティック治療による事故は、リスクを0にできないので起こりうることとも言えます。

勿論問診や血圧測定などの検査により、頚部の動脈や血栓のリスクが高そうな方には首の施術は禁忌となるため行わないのですが、それでも絶対に起こらないとは言えないのが統計上あります。

この無作為比較対照研究は首の痛みがある患者さん54名に、機械で胸椎を振動させた場合と、昔ながらの手による矯正で6か月後の痛みの状態を比較されたものです。結果は手技しろ、振動機にしろ首の痛みが軽減するようです。

この研究では+3つのエクササイズが処方されています。

(Langenfeld A, Humphreys BK, de Bie RA, Swanenburg J.Trials. 2015)
そのまんま
そのまんま

なぜ胸椎の可動域を増やすことで首にまで良い影響があるかは、一般的には頸椎と胸椎の間の生体力学的リンクが言われています。
背骨は72個の関節で構成されていて運動連鎖が起こります。繋がっている鎖を連想してもらえるわかりやすいですが、どこかに動きの障害があると、その部分だけでなく動きの障害が起きるという考え方です

この研究でつかわれている機械はこのようなものです。日本で使っているカイロプラクターはいるのでしょうか?2021年現在、なんと接骨院でこの機器が流行っています。アジャスターで検索すると出てくると思います。

重要なのは胸椎の施術で首の痛みの改善があるということです。

慢性の首痛の場合はアクティブケアを中心に考える

慢性痛の場合は代替医療を取り敢えず受けることをお勧めしますが、大切なのはアクティブケアを必ず必要とするということです。カイロプラクティックや針治療などの代替医療は効果的なのですが、治療効果を維持するには日常生活を変化させる必要があります。

代替医療の治療院でもストレッチなどのアクティブケアを充分に指導してくれる所がおススメです。リハビリテーションを含めて施術を進めていき、3か月~6か月で効果が少しずつ出てくるものだとお考えください。当院では近隣のヨーガ教室をお勧めしています。

施術である程度緩める際も硬くなった筋肉をほぐすには強めの押圧が必要です。数年症状があってどんどん悪化してきているような慢性的な首痛の場合、最初は施術が痛く感じるかもしれません。痛い所を押すので施術が痛いというよりは首の状態がそれだけ良くないということです。

深部筋が頚椎の関節を固めてしまう

深い部分の筋肉は頸椎に直接着いています。多裂筋や回旋筋といった最深層の筋肉群。これらは頸椎の安定性を保つ為にあると言われていますが、武道やスポーツでも深部を使えるようになると上達すると言われています。

これらの深い所にある筋肉が固まってしまうと頸椎を固定してしまうことになります。首の骨に張り付くように走行しているのでガッチリ関節をガードするように硬くなってしまうこともあります。

慢性的に硬い状態が続くと筋膜は骨に近いような組織に変化してきます。カルシウム成分が増して支持機能を高めるよう適応します。筋肉にとってはエネルギー消費が抑えられるため、硬化した方が都合が良いのです。言い換えるのならば緊張しつづけた状態に適応したということです。

このように組織変性した所は元には戻りません。怪我の後にも多少のシコリが出来るでしょう?あれと同じで組織が変化してしまうのです。

頸椎は比較的アジャストメント(背骨の矯正)で動きやすい部位ですが、首が固まっている大変な状態の人は簡単に頸椎が動きません。

それほど緊張しているということです。当然頭痛に発展したり首がいつも重いということを訴えます。最初は頭痛薬で交感神経を高ぶらせて首の痛みを感じなくさせるのですが、頭痛薬の頻度が上がり、やがて毎日になり、薬が効かなくなるという順序で硬化は進みます。

早い段階で物理的に筋肉を和らげるに越したことはありません。

慢性的な首の痛みの筋膜、関節は想像以上に硬い

鶏のもも肉を買ってきた時を想像してみてください。皮の部分がありますよね?トリカワとでもいいましょうか。人体にもあのような構造がどこにもありまして、分厚い部分もあれば、比較的薄い部分もあります。

慢性化した首痛の方の筋膜は急性の時とは違い沢山の部位が硬くなっています。

ですから5.6層になっている首の筋肉、筋膜が全部硬くなっているとお考えください。スーパーで売られている肉類の膜をイメージしてくださるといいです。簡単には柔らかくはなりませんから、それなりに時間を掛ける必要があることをご理解ください。

首の痛み(頚部痛)の治療に関する統計的なデータ

昔の研究になるのですが、標準的な病院の治療と積極的な保存療法を比較した研究です。低周波なんかも効果はないようです。

1992年のオランダにおける慢性腰痛、頚部痛(首の痛み)に対する臨床比較対照研究。結果は医師が処方する薬、姿勢指導など標準的な治療群は途中で他の療法を受けるケースが多く、満足度も低い。
①医師による標準的治療(薬物、例えば、鎮痛剤)、姿勢に関するアドバイス、家庭での運動、(安静)休息で構成)
②プラセボによる疑似治療群(調短波ジアテルミー(10分)と離調超音波(10分)で構成)
③脊椎マニピュレーション群(脊椎のゆっくりとした操作と脊椎マニピュレーションで構成)
④理学療法群(運動、マッサージ、理学療法(熱、電気療法、超音波、短波ジアテルミーで構成)

これらを1年間にわたり追跡調査した研究です。無作為による臨床比較対照試験の結果、最も成績が悪かったのは①②。

脊椎マニピュレーション療法(カイロプラクティック)と理学療法は、一般開業医やプラセボ治療よりも優れています。さらに、12か月後のカイロプラクティックは理学療法よりもわずかに優れている。

Koes BW, Bouter LM, van Mameren H, Essers AH, Verstegen GM, Hofhuizen DM, Houben JP, Knipschild PG. Randomised clinical trial of manipulative therapy and physiotherapy for persistent back and neck complaints: results of one year follow up. BMJ. 1992 Mar 7;304(6827):601-5. doi: 10.1136/bmj.304.6827.601. PMID: 1532760; PMCID: PMC1881307.
そのまんま
そのまんま

カイロ治療は基本的に③と④の各種を組み合わせて行っているということになります。ですから治療効果も単一のものよりもより見込めると思います。


つぎのページは首の痛みの再発予防のエビデンスです。

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