カイロプラクティックの手技(脊椎マニピュレーション)は1990年代から腰痛への効果が数多く報告されています。
近年では各種ガイドラインにも記載されるようになったので、より安心していただけるのではないでしょうか。
腰痛に対する脊椎手技療法およびその他の保存的治療:カナダカイロプラクティックガイドライン
急性腰痛(発症しから0〜3か月)の患者には、脊椎マニピュレーション、有益と思われる場合の通常の医療、またはこれらの組み合わせに加えて、アドバイス(姿勢、活動を続ける)など安心、教育、自己管理戦略を提供することをお勧めします。痛みと障害を改善します。
慢性腰痛( 3か月以上つづく)の患者には、マルチモデルの療法(運動、筋膜療法、または有益と思われる場合は通常の医療)の一部として、アドバイスと教育&脊椎マニピュレーション、または脊椎マニピュレーションを提供することをお勧めします。
Bussières AE, Stewart G, Al-Zoubi F, Decina P, Descarreaux M, Haskett D, Hincapié C, Pagé I, Passmore S, Srbely J, Stupar M, Weisberg J, Ornelas J. Spinal Manipulative Therapy and Other Conservative Treatments for Low Back Pain: A Guideline From the Canadian Chiropractic Guideline Initiative. J Manipulative Physiol Ther. 2018 May;41(4):265-293. doi: 10.1016/j.jmpt.2017.12.004. Epub 2018 Mar 30. PMID: 29606335.
慢性的な腰痛に関連する下肢痛のある患者には、脊椎マニピュレーションおよび在宅運動(ポジショニングおよび安定化運動)とともに、アドバイスと教育を提供することをお勧めします。
結論として: 脊椎マニピュレーション、他の一般的に使用される積極的な介入、自己管理のアドバイス、および運動を含むマルチモデルのアプローチは、下肢痛の有無にかかわらず、急性および慢性の腰痛の効果的な治療戦略です。
脊椎マニピュレーションの腰痛への効果に関する論文は無数にありますので、その中からピックアップしてご紹介します。
最近の研究で面白いのは、具体的にどれくらい痛みが減り、日常生活動作がどれくら楽になるのか、どのような条件の時に効果が期待できないのか、というのが医学論文として挙がっています。
システマティックレビューと新しい試験の検索から、有効性に関連する40の記事と、有害事象に関連する8つの追加記事が特定。
SMTは、13件の研究で理学療法士、7件の研究でカイロプラクター、5件の研究で医師、3件の研究でオステオパシー医によって提供されました
急性腰痛の場合は、短期的に痛みは-10%平均的に確実にへると言えます。また機能面、たとえば靴下を履けない、前かがみにならないなども短期的に-39%減るといえます。
著者らは5つの基準を提案しました。そのうちの4つは、患者がSMTの恩恵を受ける可能性が高いと特定しました。エピソードの期間が16日未満、膝の下に広がる症状がない、不安回避信念アンケートの作業サブスケールで19ポイント未満、および2つの身体的所見
有害事象は患者の50%から67%によって報告されました。最も一般的に報告された副作用は、局所的な不快感または痛みの増加でした。
Paige, Neil M et al. “Association of Spinal Manipulative Therapy With Clinical Benefit and Harm for Acute Low Back Pain: Systematic Review and Meta-analysis.” JAMA vol. 317,14 (2017): 1451-1460. doi:10.1001/jama.2017.3086
脊椎マニピュレーションの危害に焦点を当てた1件のランダム化試験では、脊椎マニピュレーションを受けた患者の約50%が危害を報告しましたが、これは、脊椎マニピュレーションなしの手技療法 またはストレッチ運動なしの手技療法を受けるように無作為化された患者の危害を報告した割合と統計的に異ならなかった。
これらの研究のいずれにおいても深刻な害は報告されていません。
この研究の面白いのは、具体的な回復ぐあい、脊椎マニピュレーションの効果を望めない方が記されているところです。
- 腰痛発症から16日未満の方
- 膝下にまで症状が及んでいない方、例えば腰から腿までなら恩恵を受けられる
- 痛みの信念が強すぎなければ(Questionnaire-FABQ日本語版 恐怖回避信念質問票.pdf)
- 痛みが腰まわり以外にもある方、例えば腰痛と肩こりもあるなどのように
上記に該当するならば、脊椎マニピュレーションに効果があります。1週間以内に日常生活動作が楽に行えるようになります。痛みは思っているようには1週間ではなくならないですが、減ります。
ただ上記にあるように、たとえば不安があまりにも強い方などは、変化が無い場合はあります。適宜問診で確認をすると、誤解を招かないものと思われます。
また倦怠感、筋肉痛、こわばりなどの有害事象が50%で報告されていますが、他の療法の危害と同じ割合です。有害事象と書くと大変なイメージですが、揉み返しのような反応が多いでしょう。これは施術は痛いですか?、カイロプラクティックで余計に痛くなったというコメントがネット上に散見されますが、もともと痛いところを触ったり、動かすわけですから、そりゃ施術が痛いということにはならないですよ。
そして、他のマッサージなどの手技療法にも同じ割合で報告されているのが注目したいところです。
もっとも最初のガイドラインのように、カイロプラクティックの業務は脊椎マニピュレーションだけではありません。
臨床では、いくつか組み合わせて行われるのが一般的ですから、あらわされている数値以上に効果を上乗せしていけるものと思われます。
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