椎間板ヘルニアの診断を受けた60代男性の症例。改善に向かわない為カイロプラクティックにセカンドオピニオンを聞きにきました。
同じように困っている方も多いので参考になる部分があれば幸いです。
目次
ヘルニアが原因なら足先まで痺れる
脚の知覚神経支配領域 ※ネッターから抜粋
お尻周辺に痺れがある場合、座り過ぎや動作の偏りがあるために周辺組織が硬化しているのが、直接の原因であることが多いです。
触診をしっかり行う代替医療では、用意に確認できるのだが、画像診断に頼り過ぎている西洋医療だと原因を見誤ることになる。
まずは基本的な神経学、生理学の知識からお伝えしていきます。
椎間板と神経の解剖知識から再判断
先ずは出されている「椎間板ヘルニア」の診断の妥当性を評価してみます。
①仮に神経学的にヘルニアが原因で神経を押している場合は、お尻からフクラハギまで痺れが出ていないと説明不可能 です。少し見づらくて申し訳ないですが、上の図でも判るようにお尻のあたりはS1(第一仙骨神経)やS2(第二仙骨神経)が神経支配 しています。
②仮にヘルニアが原因だったとしても、どうやって仙骨の部分でヘルニアが原因で痺れが起こっているのか説明できない。これは骨盤の骨のところで、椎間板が無い所 です。医療機関でなぜ椎間板がないレベルの神経症状の部位の為に、椎間板ヘルニアが原因とされたのは意味不明です。
仙骨神経の出ている場所です。左は後ろから見たところ、右は前から見たところ。
見てのとおり骨しかありません。
100歩譲って腰椎5番のヘルニアが神経を押している場合、足の外側に通常痺れがでます。
神経痛症状の基本
神経が絡んだ症状を解りやすく解説します。
神経を抑える、触るとその神経の接触部分から神経末端まで症状が出るのが基本です。
実生活に置き換えて解りやすいのが、肘の内側を角にぶつけた時です。
このときは肘から小指の先まで「ビーン」と痺れます。物理的に神経を圧迫したからです。
このようなことから考えれば、もしも腰や仙骨の部分で神経を何等かが押していたとしたら、足先まで繋がって症状が出ていない説明がつきません。
実際にこの患者さんの訴えはというと
最近は疲労がとれなくなってきたので、お尻に症状がずっと出ている 椎間板ヘルニアの診断を何度も 受けてきました…左の腰が常に痛く重い…
実際にMRIでヘルニアが撮影されたのでしょう。しかしこの場合臨床所見がそもそもあっていません。お医者さまが何故そのような診断を出されたのかは不明です。
腰部椎間板ヘルニアが根本原因だと仮定しても、長期的には驚くほど回復していくものです。
アスリートにとって腰部椎間板ヘルニアは震え上がるような病気だが長期的予後は驚くほど良好。
坐骨神経痛は自然治癒する可能性がきわめて高く、保存療法を行なった患者の38%が1ヶ月以内に回復し、52%が2ヶ月後までに回復する。
まず腰部椎間板ヘルニアが腰痛の原因だと考えてることが問題です。 このような誤りが世界中で繰り返されてきたため、現在では腰痛に画像診断は行わないことが強く勧告されています。
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検査と施術:仙腸関節の機能不全
MRIの映像をみるとL4-L5間に椎間板 の膨らみが確認できるが、L4の神経学的な影響は確認できない 。 下肢神経学ベースライン(神経学の基本の検査)は異常なし お尻の痺れ感がある部分はも神経学的には問題ない ゲンズレンテストでお尻の症状が誘発されたので、仙腸関節にカイロプラクティックアジャストメントを行う 柔軟性の低下があるので、日常行うストレッチのご指導
仙腸関節は先述の仙骨と腸が乗っている腸骨で構成される関節です。
カイロプラクティックの見立てでは、仙腸関節のサブラクセーションです。
カイロプラクティックでは仙腸関節症候群と言います。 仙腸関節が機能不全になるとお尻の領域に関連痛を出します。 医学では仙腸関節は動かない関節と学びますが、可動関節です。
結局、腰が壊れている、ヘルニア持ちだ、というような認識、イメージを持って生活している為に腰痛が長引き慢性化していました。知識の再構築と骨盤の機能回復が必要だったのです。
ご感想
お尻の痺れ感は、初日になくなりました。 長年あった腰痛も来院の度に軽くなっていきました。 必要最小限のストレッチ指導だったから、無理なく行えました
院長のコメント;原因は仙腸関節症候群
関節包や靭帯からの痛みは硬節痛として出る
この方は骨盤の関節が機能障害を起こしており、お尻回りに痛みや痺れにまで発展していました。
仙腸関節の不具合は、お尻やモモ裏上部あたりに症状を出すことが知られています。場合によっては内もも、脛の前部に感覚消失を伴うことも知られています。これを仙腸関節症候群といいます。
カイロプラクティックマネジメント:メリデル I ガッターマン、竹谷内弘明 監訳 P118
骨盤の関節は大きな関節で固まってしまうと動かすのに大変です。カイロプラクターは全身を梃子のように使い関節の可動域を回復させていきます。
右図の指で刺している部分ですが実際には強靭な靭帯に覆われていて、加齢とともに靭帯組織が骨に近いくらいに硬化していきます。このような状態はどなたでも起こりえます。
可動域が低下することだけが症状の原因ではありませんが、この方はカイロプラクティックが顕著に功を奏した一例です。
普段からメンテナンスの必要性
背骨や骨盤のメンテナンス がどれほど健康に影響をおよぼすかは、このような症状をお持ちになった方は良くわかるとおもいます。
症状が無くなっても月に1回のメンテナンスケアをお勧めしています。
メンテナンス・ケア(MC) は予防医学の観点からも、どのような効果が得られるのかが北欧で高いエビデンスレベルで調査されていて、過去に腰痛などの身体の痛みがあった人ではベネフィットは顕著です。
The Nordic maintenance care program: the clinical use of identified indications for preventive care Iben Axén & Lennart Bodin Chiropractic & Manual Therapies volume 21, Article number: 10 (2013) Cite this article
少しの痛みや不全感がある場合、対処療法ではなくつらいお悩みをなんとかしたい場合カイロプラクティックそのまんまサンシャインまでお気軽にご相談ください。
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