このページではカイロプラクティックの症例を通して、引っ越しに関わりそうな腰痛の情報をお伝えできればと思います。参考にしてみてください。
目次
引っ越し業者 度重なる腰痛への対策
腰の構造
引っ越し業5年目、数カ月おきに腰痛になっている 今回は1週間前からひどい腰痛 です
とうことで引っ越し業30代男性がご相談にいらっしゃいました。
カイロプラクティックのような代替医療は初めてということで
痛みと状態:いつもより長引く腰痛
腰痛が頻繁にあるので仕事も休みがち
痛みが出てから1週間、今回の腰痛はいつもより長引いてる 痛みが引いてこないので不安 数日間休業したが、そろそろ復帰しないと生活も厳しい… この1週間で1度、駅前のマッサージに行ったが変化がなかった
1週間経っても痛みが引いてこないのは確かに不安です。 では実際に検査で分かったことと対策を見ていきましょう。
検査:非特異的腰痛の疑い+仙腸/股関節機能不全
西洋医学では非特異的腰痛と診断されるでしょう。カイロプラクティックは機能性を評価するので、仙腸関節と股関節が上手く使えていない状態であると判断しました。
問診上、レッドフラッグの兆候はみられない (命に係わる問題はない) ナクラステスト+(整形外科検査の一種) 起立筋の緊張が著しい 標準的なカイロプラクティックケアのあと、股関節の運動を確認 統計的には力仕事の方のほうが椎間板は強くなることをお伝えする
実際に痛みを出していたのは腰部の起立筋の緊張でした。その起立筋の緊張が何故起こるのかは股関節が上手く使えていないから。
非特異的腰痛の評価に股関節可動域の評価を加えるべきという2015年レビュー 腰の可動域障害は、腰痛症状の発症における機械的要因の1つとして提案されている。
限られた範囲の股関節回転が、代償的な腰椎運動ををもたらすという仮説がある。この研究は質の高い12件の文献をレビュー。 結論:非特異的腰痛の評価に股関節可動域の評価を加えるべき
Sadeghisani M, Manshadi FD, Kalantari KK, et al. Correlation between Hip Rotation Range-of-Motion Impairment and Low Back Pain. A Literature Review. Ortop Traumatol Rehabil . 2015;17(5):
初回のカイロプラクティックで腰の痛み が完全になくなったため、メンテナンスの必要性だけをお伝えして次回の予約はとらずに帰られました。
初めてのカイロ治療で効果に関心
カイロは初めてで、こんなに効果的だとは!1週間あった痛みなので不思議なくらいです。時よりメンテナンスをお願いしようと思います。
肉体労働をなさっている方の回復は驚くほど早い時も多いです。まだ年齢的にもお若いということも、勿論幸いしています。
被験者40名と小規模での研究ですが、さまざまな方向での股関節硬直が腰痛と相関 していた。
Zafereo J, Devanna R, Mulligan E, Wang-Price S. Hip stiffness patterns in lumbar flexion- or extension-based movement syndromes. Arch Phys Med Rehabil . 2015
股関節への意識が少ないと、大腿部をしっかり使えないので腰が曲がり起立筋の緊張状態を招く
まとめ:痛みのピークは過ぎている
本症例は発症して1週間経過していたので、初回からアジャストメントをしっかりと行うことができました。
マッサージでは良くならなかったことなど、骨盤の機能障害からの痛みが顕著に表れていた例といえます。
身体の動きに関しては、まだ我々カイロプラクターが目視や触診によって判断していますが、将来的にはウェアラブルデバイスで細かい部分の動きまで、運動べつでモニタリングできる時代が来るようです。
歩行に関して脊椎周辺に装着したセンサーで評価された研究の系統的レビュー です。 結果:主に、角度、動きの範囲、角速度、関節のモーメントと力を含む、腰椎セグメントと矢状面に関連して報告されている。
Papi E, Koh WS, McGregor AH. Wearable technology for spine movement assessment: A systematic review. J Biomech . 2017
簡単に解説すると、おもには股関節の屈曲の動きと、腰の関節の動きが関連しているという報告です。
カイロプラクティックでは身体全体の機能が連動して動いているかも確認します。この症例のように股関節が使えていない結果、骨盤や背中に負担がかかるケースも多いです。
重い物もそうですが、ストレス対策も大切
引っ越し業や運送業の方々が急性腰痛になる可能性は、他の業種よりもやや高いですが数パーセント程度です。
最近の研究では適切なケアと、腰痛に関する考え方を変えていくことで、発生頻度や発症時の痛みのレベルを低い値で抑えることが出来ると言われています。
可能ならば痛みが無くなっても4回ほど再来することをおススメしています。再発生させないように集学的なリハビリテーションいます。
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