首の痛みについて

首の痛み(頚部痛)について
About neck pain

首の解剖

先ずは筋肉の解剖学。チャートブック骨格筋の解剖 川原 群大 (編集)~より

慢性的なものと急性的なものを分けて考える

首の痛みは日本の女性では現在最も訴えの多い疾患となっています。さまざまな意見がインターネット上にありますが慢性的な首痛の多くは筋肉群、筋膜、首の関節の硬化が原因で起きていると私は思います。

勿論硬直性脊椎炎や脊椎リウマチや脊椎炎といった病理的な問題を除外した上でのお話しです。

急性的なものは筋の硬化か、筋の軟化が部分に起きていたり、一時的な筋スパズム(攣縮=れんしゅく)が起きていることもあります。

首の筋肉の一部に起きていたり深くて触診が困難な部分に何らかの異常があると予測されるときもあります。

首の筋肉は5層6層になっていて深い所では5cm以上の深さになる部分もあります。

慢性的な首の痛みの場合表層の筋肉はふわふわしていても背骨近辺の筋肉が硬くて関節がロックされた状態も珍しくありません。(多くの臨床家がそのように感じているのだと思いますが、エビデンスとなると高いレベルでの物はあまり多く出てきていないのが現状です)

痛みが出てから数日~2.3か月の状態ならば大げさに考える必要はなく普通の保存療法で効果が見込めます。

保存療法を選択する目安は発症して2.3日経過しても沈静化してこなかったり、悪化してきている場合に選択すると費用対効果に優れています。勿論費用的に問題なければ発症した日に保存療法の治療院を訪れるに越したことはありません。

急性の場合、多くの場合は自然に痛みは減ってくる自己限定性疾患です。病理的な疾患である場合は発熱があったり他の部位への関連痛があることもあります。もちろん病理的なものでなくても他の部位への関連痛を認めることも珍しくはありません。

さて自己限定性疾患とは一定の経過を辿り、回復することが解っている疾患のことです。完全に自然回復するには1か月くらいを考えておいてください。このときはストレッチなどはしない方が良いとされています。あくまでも日常生活を続ければよいです。

また慢性的な首痛の場合、ストレッチなどでアクティブケアを行っていく場合は適切なものを行って3か月~6か月で効果が少しずつ出てくるものだとお考えください。

一番大変なのが数年症状があってどんどん悪化してきているような慢性的な首痛の場合施術だけで筋肉群を和らげていくのは、それなりに強い押圧をかけていく必要があります。女性の場合強い施術に耐えられるか否かが回復のキーになるところとも言えます。

それでは、どうしても施術が必要な一番大変な状態について予測される事を書いていきましょう。

首の深い筋肉は関節を固めてしまう

深い部分の筋肉は頸椎に直接着いています。多裂筋や回旋筋といった最深層の筋肉群。これらは頸椎の安定性を保つ為にあると言われていますが、武道やスポーツでも深部を使えるようになると上達すると言われています。

回旋筋の絵

頚部の回旋筋。骨に張り付くように走行しています。

これらの深い所にある筋肉が固まってしまうと頸椎を固定してしまうことになります。首の骨に張り付くように走行しているのでガッチリ関節をガードするように硬くなってしまうこともあります。

慢性的に硬い状態が続くと筋膜は骨に近いような組織に変化してきます。筋肉にとってはエネルギー消費が抑えられるため、硬化した方が都合が良いのです。言い換えるのならば緊張しつづけた状態に適応したということです。

このように組織変性した所は元には戻りません。怪我の後にも多少のシコリが出来るでしょう?あれと同じで組織が変化してしまうのです。

頸椎は比較的アジャストメント(背骨の矯正)で動きやすい部位ですが、首が固まっている大変な状態の人は簡単に頸椎が動きません。

それほど緊張しているということです。当然頭痛に発展したり首がいつも重いということを訴えます。最初は頭痛薬で交感神経を高ぶらせて首の痛みを感じなくさせるのですが、頭痛薬の頻度が上がり、やがて毎日になり、薬が効かなくなるという順序で硬化は進みます。

指圧やカイロ治療はキチンと勉強した人のところへ行くと¥5,000前後はしますから利用している人が周囲に居ないと選択肢に上がらないことが多いと予測されます。

早い段階で来られるに越したことはありません。

 

慢性首痛の筋膜、関節は想像以上に硬くリリースしていくのは大変

鶏のもも肉を買ってきた時を想像してみてください。皮の部分がありますよね?トリカワとでもいいましょうか。人体にもあのような構造がどこにもありまして、分厚い部分もあれば、比較的薄い部分もあります。

ウサギの浅筋膜

ウサギの背中の部分
筋膜マニピュレーションより

慢性化した首痛の方の筋膜は急性の時とは違い沢山の部位が硬くなっています。

例えば握り拳を作ってくださいと言った時に腕の筋肉が全部硬くなりますよね?首でもこの部位だけ緊張させてくださいというのは無理です。

写真はウサギの背中ですが皮下にある浅筋膜だけでも、あのように真っ白です。何層にもなっている訳ですから事はそう簡単にはいかないということです。

ですから冒頭に張り付けた5.6層になっている筋肉、筋膜が全部硬くなっているとお考えください。

市場原理からいくと1回¥5,000する治療院よりは60分¥2,980の激安マッサージなどを選択する率が高いと思います。

そのような施設をご利用になっていた方は1.2層目くらいの筋肉は比較的柔らかいことが多いですが、私から言わせると関節構造や筋の走行を意識していない為、浮腫みが取れておらずクプクプした状態になっていることが多いです。

例え運よく?強押しの人に当たっていたとしても筋肉がゴポゴポしている人が多いです。例えば肘でゴリゴリに押してもらったなどです。その時は気持ちいいですが、理に適っていないので症状は取れずらいと私は思います。

背中を見せて頂けるとだいたいどんな施術を受けて来られたかは大体解ります。(針治療以外)

 

慢性首痛に対する比較対照試験 

標準的な医師の治療は効果を疑問視 
エビデンス三角

この図でいくと3番目の信頼度の研究

1992年のオランダにおける慢性腰痛、首痛に対する臨床比較対照研究です。

①医師による標準的治療
②偽薬による疑似治療群
③脊椎マニピュレーション群(矯正)
④物理療法群(エクササイズ、マッサージと温熱療法、電気療法、超音波、短波ジアテルミーなど)

これらを1年間にわたり追跡調査した研究です。無作為による臨床比較対照試験の結果です。

最も成績が悪かったのは①②です

また12ヶ月後になると脊椎操作の治療③(カイロ)は、12ヵ月の後の物理療法よりわずかによいことが分かっています。

(BMJ 1992 Mar 7;304(6827):601-5.)

当院のカイロ治療は基本的に③と④の各種を組み合わせて行っているということになります。

 

本当の意味での回復は、機能が回復した時

首の機能が低下して、背骨周りの筋肉まで緊張している状態が多いです。慢性的なものですから、時間をかけて首の機能を回復させていけば少しずつ回復していきます。回復する順序としては以下のようになります。

  1. 頭痛がある人は、頭痛の出やすい状況でも頭痛がでなくなった
  2. 首が少し軽くなってきた
  3. 症状があまり気にならなくなった

という順番で回復していくことが多いです。

ポイントは日常生活での運動維持

どれくらいの状態を維持して行きたいのかにもよりますが、お伝えしていく効果的なエクササイズをどれくらい行えるかによります。忙しい生活の中であらたな生活習慣をつけていくのは簡単ではありません。

医療機関での撮影で、骨や椎間板の不具合を指摘された方

心配いりません、ご安心ください

個人差はありますが加齢とともに骨変性や椎間板異常は誰にでもあります。 たしかに骨棘や椎間板の高さが低くなることは撮影で確認できます。

しかしこれらの事象は、痛みが無い人でも起こっていることが研究で明らかになってきています。

医学的な研究の科学的根拠の信頼度

以下の通りです。参考になさってください。「某有名大学先生が言っていた」や「コマーシャルの体験談」などは根拠という点においては高いレベルではありません

研究レベル

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