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伊藤孝英
院長
ロイヤルメルボルン工科大学健康科学部カイロプラクティック学科日本校卒業。B.C.Sc(カイロプラクティック学士), B.App.Sc.(応用理学士)。従来の筋骨格系障害としての腰背部痛から生物社会心理的要因としての腰背部痛へとシフトチェンジ。鬱や不安障害にも着目したマルチモデルでヒューマンケアしています。

健康

健康の定義のイメージ
健康について考えます

カイロプラクティックはヘルスケアの専門職になります。腰痛や肩こりをケアする人と思われがちなカイロプラクティックですが、実は健康ケアの専門職になります。

目次

カイロプラクティックは「健康をケアする専門職」

「健康」に焦点をあてて人間を診ています。何かの故障を直すのではなく、「健康」が減ってくると腰痛や肩こりなどの症状がでて、さらに「健康」が減ると病気になり、「健康」が枯渇した時死んでしまうという考え方をしています。

これを視覚的に理解するために、カイロプラクティックの説明で「健康のバケツ」というものがあります。

『健康とは病気のないこと』ではない

想像してみてください。

健康のバケツには水が満たされています。水が満たされていれば健康です。

しかし残念ながらバケツには穴が空います。

水は少しずつ落ちていきます。そして健康のバケツの水は減っていきます。その穴は加齢とともに大きさを増し数も増えていてきます。疲労や病気でも穴は増えます。

健康バケツ
カイロプラクティックの考える健康のバケツ
  1. 「健康のバケツの水」が減ると症状が出ます
  2. 「健康のバケツの水」が更に減ると病気になります
  3. 「健康のバケツの水」が枯渇すると死を迎えます

ですからなるべく「健康のバケツの水」を注入しておきましょう!という考え方をしているのがカイロプラクティックです。シンプルでしょ?

ではその「健康」とはいったい何で、どのような状態を言うのでしょうか?。WHOの健康の定義を参考に見ていきましょう。

WHOの健康の定義

世界保健機関のマーク
世界保健機関

健康とは、肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態

腰痛や肩こりがあると、精神的にも余裕がなくなっているのではないでしょうか?そのような状態の時にWHOの健康の定義を読むと「そんな状態あるわけない?」と思います。

何を隠そう、私も以前はそのように感じていました。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」

(日本WHO協会訳)

しかしカイロプラクティックの考え方を通して、徐々に肉体的にも、社会的にも、精神的にも満たされた状態になってきています。

時に疲労し、時に落ち込み、時に迷うこともあります。そのような意味で、私は1998年にWHO内で出された変更案に賛成していますが、この案は保留中です。

1998年の提案ではスピリチュリティーが追加された

Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

「健康とは完全な肉体的(physical)、精神的(mental)、死生観、宗教観(spiritual)及び社会的(social)福祉のDynamicな状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」

(厚生労働省)

という変更案でした。(この案は宗教団体が悪用しすぎた為、保留中です…トホホ)

死生観が入れられたのは、アフリカ諸国がWHOに加盟して、「健康の概念にスピリチュアリティーが無いのは変だ」という意見が増えたからだと言われています。
確かに損得勘定だけで唯物的、現生的で生きている人はあまり人間的ではないきがします。

そしてダイナミックな状態と言っているのも面白く、たえず揺れ動いているという解釈です。

考えてみたらいつもフルタンクで健康なのもおかしな話ですものね。わたしはこの新案のほうがより健康を説明するのにふさわしいと考えています。

人間の体内環境もいつもダイナミックに変動しています。肉体的にも精神的にも死生観的にも社会的にもダイナミックであることって、いかにも充実した人生で躍動感がありますものね。

健康と病気は連続性があり、常に変動しているという概念

静的に固定した状態ではないということを示す dynamic は、健康と疾病は別個のものではなく連続したものであるという意味付けから。
また spiritual は、人間の尊厳の確保や生活の質を考えるために必要で本質的なものだという観点から、字句を付加することが提案されたのだと言われています。

(日本WHO協会)

スピリチュアルに関して私の考え

昨今の「御朱印集め」や「占いブーム」などのスピリチュアルブームは人間には必要な要素であることを意味していると考えます。

オーム事件から新興宗教等へのアレルギーが本邦にはありますが、宗教観というようりは昔から言われている『死生観』や『命とは何か?』などで考えると解かりやすいです。

科学では証明できない「情報」も人間が健康的に生活していくには必要なものの一つなのだろうというスタンスでおります。ちょっと怪しいかもしれませんが、特に宗教はやっていません。

あくまでも「健康」についてなるべく解りやすく科学的に説明がしたいだけです。

命とは、死生観
何故生きているのか? 命とは? 怪しい??

実際私がカイロプラクティックを学ぶキッカケになった友人も、霊感療法的な手法で回復に向かっています。

霊能力者が居る居ないの問題ではなく、何かしらのスピリチュアリティー(死生観)の背景を持たない場合、そのような情報も人間社会を生きていく上で必要なのではないでしょうか?(それが占いでも、霊媒師でも宗教の教義でも何でもいい)

この部分は内田樹先生が面白いお話しをされていたのですが、

ネアンデルタール人(原人)と猿人との差は「火を使う事」「道具を使うこと」に加え「埋葬が始まった」のがネアンデルタール人からです。

猿と原人との差は埋葬をして死者を弔うか否か。ホモサピエンスより脳が大きかったといわれるネアンデルタール人には死後の世界が見えていたかどうかは知る由もありませんが、埋葬をしたということは「黄泉の国」を想像していたのだと考えられます。

実際にあの世があるとか無いとかはどうでもよくて、そのような感性を持っているかどうかです。この点が著しくかけていているとお金持ちでも健康ではなくなってしまうところが人間の面白い部分でもあります。

堅苦しく考えずに、日本の場合、お正月に初詣でに行くとか、お盆にお墓参りに行くなど生活にとけこんだ宗教的な行動から考えれば良いのではないかと考えています。

WHOの健康観は、腰痛らの解放という観点からしても重要

最新の研究で言われている、腰痛を構成する要素と似ています。

腰痛(特に慢性痛は)以下の4つから成ると言われています。つまり腰痛から完全に回復するには以下の4つの要素を満たす必要があると私は考えています。

  1. Physical 肉体的要素
  2. Social  社会的な要素
  3. Mental  心理的な要素
  4. Spiritual 精神的な要素

健康の社会的な因子とは

上記の2.にあたるSocialの要素

WHO欧州地域事務局は明確な根拠のある事実から『健康の社会的決定要因』として 「社会格差」「ストレス」「幼少期」「社会的排除」「労働」「失業」「社会的支援」「薬物依存」「食品」「交通」 を挙げて健康政策の重要性を強調している

(WHO欧州地域事務局2003 pdf.日本語)

これは人間関係は勿論のこと、就業状態つまりブラック企業でないかなどは想像しやすいですよね。必要な時に社会的な支援が受けられることも健康の要素ですし、交通なんてのも重要な要素のようです。

つまり各個人で取り組めることと、みんなで作り上げていくことと2つあるということです。これらが不足していても不健康と考えられます。

グローバリゼーションで地域社会が崩壊したと言われる昨今、新しいsocietyを模索していく必要もあります。

世界の抱える健康問題が浮き彫りになっている

欧州やアジア圏、もちろん日本の社会も不健康が蔓延している状況が伺えます。2022年現在岸田政権が動きを見せていますが、日本で給料が上がらないという状況も、健康に良くないです。

根が深い問題ですが、そのよな大きな視野での取り組みも人類の健康という意味では必要になってきます。

痛みからの解放もそうですが、健康的な生活を送っていける社会を作っていく事は、我々人類が向かう方向性を示しているように私は思います。

ヘルスケアの専門職が考える 健康の価値

自転車に乗る動物
健康ってどれくらいのお金になる?

人生100年時代、健康寿命を延ばして元気に働かないと人生を全うできないかもしれない。若い世代ではアルコールやたばこといった前世紀の流行りには目もくれず、自分の時間やフィットネスにいそしむ方も少なくない。

本能的に心の健康、身体の健康に目を向けているのだろうと思います。

さて21世紀に入り、健康というものにどれ位価値があるのかを、分かる範囲で考えていきます。健康にどれくらいの価値があるのだろうか?

大前提として何かに、価値があるか、どうかは人それぞれ

車椅子に乗る患者
病気によって健康の大切さに気づかされる方は多い

まず何に価値を置くかというのは、各々の人生で違います。どれが正解というわけではありませんが、お金や貴金属が一番の価値だと思っている人、いや友人などの人間関係こそ一番の価値だという人、趣味に価値を置く人、骨董品に価値を見出す人など、他人から見れば「何が面白いんだろう…」という価値もあります。

Googleで調べると

かち価値】 どれくらい大切か、またどれくらい役に立つかという程度。またその大切さ。ねうち。

とあります。

健康が各々にとってどれくらい大切なのかも人それぞれ。健康がどれくらい役に立つか?と問われれば、かなり役に立つとしか言いようがありませんが、大病をなさった方はその大切さに気づき、何ものにも代えがたいものと表現したりします。また高齢になればなるほど健康の価値は上がってくるものと思われます。

大規模研究から考える 健康の価値

スタジオで議論する若いスタッフ
イメージ

病気になったときに良く分かる、健康の価値なので、疾病から考えてどれくらいの金銭的価値かを考えてみましょう。

先ずは健康を害すると運動不足になりやすいのは紛れもない事実です。このことが及ぼすデータをみていきます。

運動不足による損失

身体不活動の経済負荷について世界レベルでの定量化は初
2013年のデータで、142ヵ国について身体不活動に起因する経済負荷を推算したところ、 直接医療費用とDAILY、障害調整生命年(しょうがいちょうせいせいめいねん、英: disability-adjusted life year、DALY=病的状態、障害、早死により失われた年数を意味した疾病負荷を総合的に示すもの)は冠動脈疾患、脳卒中、2型糖尿病、乳がん、大腸がんについて算出。
2013年の世界の身体不活動の経済負荷は、保守的解析(conservative analyses)では675億ドル(185~1,821億ドル)であった一方、非保守的解析では1,452億ドル(470~3,388億ドル)と、より高値の推算値が示された。

Ding D, Lawson KD, Kolbe-Alexander TL, Finkelstein EA, Katzmarzyk PT, van Mechelen W, Pratt M; Lancet Physical Activity Series 2 Executive Committee. The economic burden of physical inactivity: a global analysis of major non-communicable diseases. Lancet. 2016 Sep 24;388(10051):1311-24. doi: 10.1016/S0140-6736(16)30383-X. Epub 2016 Jul 28. PMID: 27475266.

昨今運動をしましょうという風潮が盛んですが、運動するだけで冠動脈疾患、脳卒中、2型糖尿病、乳がん、大腸がんだけでも多めにみると30兆円にもなるようです。

え、数字が大きすぎて分からない?私も数字は苦手ですが、割り算をすると全世界で一人当たり年間約5000円の負担になっているみたい。

健康生命年の最大損失は「癌」
既知の主要予防可能なリスク要因に関連する健康生命年の最大の損失はがんという報告です。(米国)二つの予防可能なリスク要因と密接に関連するのは喫煙と飲酒。

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-10/acs-mcw101816.php

いろいろと健康生命年の損失はあるでしょうが、癌が一番損失が大きいようです。細かいところより、喫煙と飲酒が癌のリスクが高いということです。これは言うまでもないかもしれませんね。

運動不足は 喫煙、飲酒と同じ負の効果

運動不足が大流行しているが、ランセットでは運動不足が健康に及ぼす影響を喫煙や飲酒と同等の負の影響があると結論しました。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)31070-4/fulltext
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