世の中にはぎっくり腰を繰り返して苦しんでいる方もいらっしゃいます。そのような方は持病だと諦めて生活を制限しています。
この方に、何が足りていないのかをカイロプラクティックの症例を通して解説していきます。
目次
ぎっくり腰を繰り返している40代男性の症例
40代男性 建設業
ぎっくり腰は非特異的腰痛と呼ばれ「原因が良くわからないけど腰痛」ということですが、問診からどのよな状況であるかは、察しがつくことが多いです。
- 高校生の頃から年に3.4回はぎっくり腰になっている
- 腰が固まってくる感じが必ずある
- 今年は最大級の腰痛があったので心配
腰が固まってくる感じがあるというとき、実際に腰の筋肉が硬くなってきていることが多いです。硬くなる原因はさまざまで、姿勢、股関節が使えていない、一部分を使いすぎる生活、固まった姿勢が良いという認識などで、問診や触診、可動域検査などで特定していきます。
痛みと状態:痛みが落ちつきかけ
- 今日は腰痛3日目で少し和らいできている
- 20年間繰り返す 「ぎっくり腰」に悩まされている
- 前屈すると痛みがでるのではないかと不安
- スポーツクラブで週に3回は鍛えている
この方のように運動習慣があるのに痛めるということは、背骨の使い方に問題があることが伺えます。
一般的に腰痛予防に運動が推奨されています。ガイドライン等にも10年ほど前から記載があります。これは一般論で運動時の姿勢、運動連鎖の消失などで腰の一部分に負担がかかる動きをしていると、その部分に疲労が蓄積されてある時に痛みが出ます。
検査と施術;やや猫背気味か
- 胸腰移行部の筋緊張と背骨の機能不全がある。筋肉と緩和操作とカイロプラクティックアジャストメントを行う。
- 猫背気味なので、正しい姿勢の指導(ぎっくり腰とは関係なく)
- 片足バランスの低下が著しいので、スモールフットからの立位でのバランス誘導
パワー系のトレーニングをする際に、背骨のコントロールがしっかりできていないと、必要以上に背部の筋肉に負担がかかります。
何らかの心理的ストレスが背景にあり、急性で痛みを出すこともあれば、慢性的な物理的ストレスが重なって筋肉が線維化していき痛みを出すケースもあります。
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率直なご感想
初回の施術後には、すごく腰が軽くなった(最初のうちは生活していくと戻る)。
どのあたりの筋肉が硬いのか、実感できました。
普段の運動で動かないところを動かしてもらった気がしました。施術は私にとって気持ちいい。
数カ月経過したが、今のところ腰痛はない(後日談)
院長コメント;背骨の使い方を意識していこう
繰り返す腰痛の方は、運動の制御が出来ていない場合があります。少しのことですが、日常生活レベルで繰り返し使われることで背骨の一部に凄く負担が大きくなる部分がでてきます。
背骨の使い方といってもいいでしょう。
足の裏や骨盤底筋群、横隔膜といった部分をリハビリする必要がある場合があります。大黒柱である背骨をしっかり働かせるための梁の構造になっている横の筋肉群です。
これらは姿勢の制御にとても大事な役割をしています。これらの運動筋の再教育を行っていくことが腰痛の再発率を低下させます。(少しだけ低下させます)
この方は年に4回と高頻度での再発ですが、ぎっくり腰自体は統計的に1度は75%の方が再発をします。
大事なのは下記の論文のように、1年後に中程度の痛み、激しい痛みに悩まされていないことではないでしょうか?
最初の腰痛エピソードから1年後、33%もの人々が依然として中程度の痛みを抱えいます。そして15%が激しい痛みを抱えたままでます。
急性腰痛は再発率が高く、最初のエピソードのある人の75%に再発があります。
McIntosh G, Hall H. Low back pain (acute). BMJ Clin Evid. 2011 May 9;2011:1102. PMID: 21549023; PMCID: PMC3217769.
忘れてはならないのが、ギックリになる状況として会社での人間関係など、社会的要因も見落とせません。
それらのことを総合的に診ていく必要があると思います。
人によって機能低下しているところはさまざまです。
このあたりが書籍やネットの情報では解かりえない状況といえるでしょう。情報だけならWEBサーチのほうが沢山見つかるでしょう。
それよりも専門家の正確な情報を直接聞くこと、施術を体験することを通して、息遣いや意気込みを通してとコミュニケーションを取ることの方が大切だと思います。焦らず、再発が普通ですから、先ずは専門家とゆっくりお話をするくらいの心構えでいいとおもいますよ。
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